はじめに
我が地元北海道が生んだ大スター大泉洋。
そんな彼が筋ジストロフィー患者でありながら人生を全力で楽しんだ実在の人物、鹿野靖明氏を体当たりで演じた映画「こんな夜更けにバナナかよ」↓
その感想について書きたいと思います。
ネタバレありなので注意です。
まず一言で感想を述べると、タイトルにもしましたが、映画だけでは鹿野靖明氏や彼を支えたボランティアについていまいち把握しきれません。
例えば鹿野靖明氏がどんな人生を送ってきたのか?収入は?ボランティア団体はどうやって設立されたの?
などなど疑問はつきません。
しかしそれでいいのです!
なぜならこの映画は後述するように、ある一つの素晴らしい方針のもと映画化された作品だからです。
では詳細にGO!
うーん・・・なところ
まずはちょっと残念だったところから(私は原作や事前情報なしで鑑賞しました)
・外部が見えない こういう伝記系映画にありがちなミスを回避できていなかったかな、と。要するにこの映画では鹿野が好きで、彼の方針に賛成な人しか出てこないんですよ。最初は反対してても結局は賛成に変わりますし。もちろんそういう方向性の映画だってことはわかるんですけどね。基本的にはエンターテインメントなので。
でもそれだと、鹿野とその仲間たちの内部で完結しちゃってる感じがするんですねー。
・時間経過がよくわからない
季節のシーンの挿入もあまりなく年月表示もないので、これがいつのシーンで、登場人物がいくつで、
鹿野氏にとって時間というのはとても重要な部分だと思うんですけどねー
・細かな?が解決されない
例えば筋ジストロフィーとはどういう病気か?鹿野はいかにしてボランティアネットワークを作ったのか?田中との出会いは?鹿野の収入は?等々、突っ込もうと思えばいくらでも?ポイントがみつかります。
良かったところ
伝記や自伝ものの映画は、主人公に視点が置かれているものが多い気がします。
ンとして描かれるのは鹿野・美咲・田中の三人が共に過ごしていた期間です。これって名実ともに主人公で
ある鹿野だけではなく、美咲と田中のふたりも主役であることを表現してるのかな、と。さらに言うと、こ
の映画が描きたかったのはだれかの人生ではなく、鹿野・美咲・田中の三人の愛情だったり、くやしさだっ
たり、怒りだったり、喜びだったりといったものではないか、とも思いましたね。その証拠として私が考え
るのが、この映画では鹿野が死ぬシーンがクライマックスじゃないということ。普通の難病系映画だったら
主人公が死ぬシーンってたいていクライマックスですもんね。でもこの映画では鹿野が死んでしまったとい
ことは間接的に表現されるだけで、描かれてすらおらず、三人の主役のエピローグのひとつとして処理され
ます。
じゃあこの映画のクライマックスってどこなの?とういと、三人が出会い、衝突してきた結果として、最後
にわかり合うその瞬間です。
だからこそこの映画は、友情や愛情が結実した瞬間をラストとすることにより、
人生を、
おわりに
長々と書いてきましたが、この映画、結論としてはシンプルにすごく楽しめました!うーんなところ、で書いた
ことって見てるときはあんまり気にならないんですよ。物語に引き込まれてるから。それに、はじめに、で書い
た素晴らしい方針、つまり鹿野の難病映画ではなく、三人の主人公が織りなす物語としたことの結果だから単純
な欠点でもないのかな、と。
結果として満足度は81%ですかね。一本の映画として単純に面白いし、楽しめます。もう少しテンポをよく、尺を
長めにして、情報を入れてくれたら90%くらいだったかなあ。