こんにちは!
映画 コードギアス 復活のルルーシュ オリジナルサウンドトラック(初回限定盤)
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特に、「映画」としての側面について、5つの視点から考察してみます。
あと、がっつりネタバレしているので注意です!
1.ジルクスタンとの戦いがいまいち盛り上がらないのはなぜか?
これには二つの理由があると思います。
一つ目は、「キャラが一面的」だから。
今回ルルーシュたちが戦うキャラというのは、すごく、いわゆる「アニメ劇場版の敵キャラ」っぽいです。
戦いにしか興味がないような狂戦士と、主人公でも手こずるような能力(ギアス)の持ち主。
そして、そのギアスとは「死ぬことで時をさかのぼる」ことで、彼女の目的は、主人公の妹(ナナリー)を使って、世界を自分の望むように作り変えようとする。
どうですか? こう書いてみると、劇場版のために設定されたキャラ感がありますよね。
そして、ジルクスタン側のキャラは、基本的に「劇場版」のキャラの範疇を出ていません。
要するに、キャラ設定が、他のメインキャラに比べると、だいぶ浅いですし、一面的です。
でも、こういうキャラ設定は、後で詳しく書きますが、わざとです。
そして二つ目は、「戦いの意味が今までとは違うから」です。
今までのルルーシュの戦いは、ほとんどすべて、ナナリーのために「優しい世界」を作ることを目的としています。
そのために、ルルーシュはギアスを使い、時には人の命も顧みず、世界を変革してきました。
しかし、今回の戦いと言うのは、すでに作り出された平和な世界に起きた、イレギュラーな事態を沈静化するための戦いです。
つまり、世界を守る戦いなわけです。
だからこそ、今回の戦いは、ルルーシュの頭の良さを生かしたものではあっても、残虐さ・非道さを生かす場面は少なかった。
だからこそ、今までのルルーシュの活躍を期待してみると、ちょっと拍子抜けするんでしょうね。
2.ルルーシュはなぜ丸くなったのか?
今回のルルーシュは、できるだけ人を殺さず、味方に嘘もつかず、裏切りもせず、と行動が以前に比べてマイルド。
それは、あくまでも個人的解釈ですが、今回の映画は、ルルーシュの「解脱」(厳密に仏教的な意味ではなく、常用表現としての意味で)の過程を描いたものだからです。
映画の最後、ルルーシュはCCと同様の存在となり、LL(エルツー)と名乗り、CCと共にギアスを授け、奪うものとして生きていくことが示唆されます。
LLとなること、それはルルーシュとしての人間の名を捨て、人ならざる者として、永遠の時を生き、人の世を導く存在となることです。
そしてこれは、人間としてのルルーシュを殺すことでもあります。
それは同時に、ルルーシュという人間を成仏させ、より上位の存在として「復活」させることでもあります。
だからこそ、今回のルルーシュは、今まで通りではだめだったんです。
彼には「悟り」を開いてもらい、次のステージに至るに足る、人格者でなければならなかったのですから。
3.なぜシャーリーは生き残ったのか?
テレビと劇場版で、もっとも違うところ、それはシャーリーの生存です。
てっきりこの映画で大活躍するかと思えば、(そういう予想をしてましたね笑)↓
実際はトータルで10分出たか?と言った感じ。
それにシャーリーの役割も、「それ本当にシャーリーじゃなきゃだめ?」といったもの。
もちろんシャーリーが最適ではありましたが、「リヴァルやミレイではだめだったか?」と言われると、ノーとはっきり言えないところがあります。
ですが、シャーリーが生き残った意味は明確にあります。
それは、テレビと劇場版が違う物語である、という目印です。
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つまり、この映画は総集編の続きであって、テレビの続きではないよ、というメッセージなわけです。
詳しくは次の項目で。
4.復活のルルーシュを劇場版四部作の完結編として見るべきなのはなぜか?
この映画って、単体で論じるべきではないと思うんです。
つまり総集編を三本も作ったのはなぜかというと、それはテレビとは別の世界線を作るためだった気がします。
この映画は、総集編三部作の続編であって、テレビの続きではありません。
というか、劇場版コードギアス4部作のトリとしてみるべき作品かなと思うわけです。
各作品の感想はこちら↓
個人的な見解としては、製作者側としては、テレビはテレビで完結させたかった、いじりたくなかったんじゃないかな、と。
テレビの結末とは、ゼロレクイエムにより、世界の悪意はルルーシュに集められ、そしてそのルルーシュを殺すことで、ルルーシュは今まで葬ってきた罪もなき人々の命を意味あるものとし、同時に、ルルーシュ自信の嘘や罪を救済する、というもの。
つまりゼロレクイエムによって、人間としてのルルーシュを救済するというのが、テレビの世界でのゼロレクイエムの意味です。
ですから、テレビの世界では、ルルーシュは本当に死んだ、復活させない、と製作者側は決めていたんだと思います。
ですが、ファンの中では、「ルルーシュは生きてるはず!」という考えは根強いわけですよね。
だから10年越しにルルーシュを復活させることにした。ファンの要望に応えることにした。
とはいえ、ゼロレクイエムというあまりにもきれいな終わり方のあとに、何事もなかったようにルルーシュを復活をさせたくはない。
だからわざわざ劇場版を三作つくり、テレビとは別の世界を作り出した。
いわば総集編三本は、テレビとは異なる、もう一つの終わりの可能性の土台作りのためにあるのであり、その違う世界の象徴としてシャーリーの生存があるわけですね。
で、この世界では、テレビとは違う、別の終わり、ファンがもう四の五の言えない、圧倒的な終わりを見せつけることが求められました。
それが、他のキャラクターたちに赦され、その上でルルーシュがLLとなり、CCと共に生きていく、ということ。
これは、罪でもあり、救いでもあります。
不老不死で生きていくというのは、永遠の時を生きるということ。
それはコードギアス世界では、けっして良いこととはされていません。
だからこそCCの願いは「死ぬこと」だったわけで、その意味では罪です。
しかし、LLはCCと共に生きていく。
自分を理解してくれる人がいる。
それは終わりの見えない無限の命の中で、一筋の光でしょう。
そういう意味では救いでもあるんです。
そしてルルーシュがそういった形で、つまり「死なない」という方法で自分の罪を受け入れる。
それは、ルルーシュが「死ぬこと」で罪を清算しようとしたテレビ版と、きれいに対比されます。
この対比のためにこそ、総集編が三本つくられたわけです。
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5.結局この映画で何をしたかったのか?
一言で言えば、ルルーシュの魂の救済。
2ではその結果を「解脱」と表現しましたね。
いわばこの映画は、ルルーシュがスザクやナナリー、コーネリア、扇などの人物たちに赦され、そして彼らを赦し、この世に未練を残さぬように送り出す、そういう葬式というか、イニシエーションを2時間かけて描いたものだと思います。
だからはっきりいってしまえば、この映画において、ジルクスタンのキャラクターや出来事というのは、それぞれのキャラクターがルルーシュと再開し、向き合うための、(そしてメタ的な視点で言えば、この「復活のルルーシュ」という作品を、興行的に・商業的に成立させるための)舞台装置に過ぎません。
だからこそ、1で言ったように、キャラが一面的なんです。
この映画は、少なくともルルーシュという一人の人間の人生の終わりと、LLとしての復活を描くという主目的だけであれば、たぶん40分もあれば終わる話。
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だけれどもいわば「最後のご奉公」ということで、ルルーシュや各キャラクターが力を合わせ戦う姿が描かれます。
これは、ファンサービスでもあり、一本の映画としての時間・内容を確保するためでもあります。
でも、結局やりたかったのは、最初と最後。
ルルーシュの魂を救済することが、この映画の目的なわけですからね。
だから最初と最後に見所が集約されているわけですね。
終わりに
現時点での考察はこんな感じです。
やはり、ものすごく考えられた映画ですね。
10年越しの「復活」に足る、大傑作であるといっていいと思います。
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なお、この記事を書いた時点では、ほかの人の、この映画に関する考察や感想を一切読んでいません。
なので、よくわからなかったギアスとかコードも含め、他の方の考察を踏まえて、もう一回考察しなおしたいですね。
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