こんにちは!
最近落語が気になる下駄夫です。
今回は、立川志らく著「談志のことば」の感想です。
立川志らくさんは、伝説の落語家・立川談志の弟子で、立川流四天王と呼ばれる、談志さんの愛弟子の一人ですね。
最近テレビでよく見ますねー。
M1の審査員もやってましたし。
この本は、志らくさんと談志さんとの死ぬ前後のエピソードを基本として、談志という人物のすごさ・面白さ・粋っぷりを伝えることを目的としたものです。
この本は志らくさんの談志さんへの愛に満ちています。
男が男に惚れるとはこういうことか、と。
BL的な意味ではなくてね(笑)
この本の中で、志らくさんが談志さんを批判することはありません。
表面上は批判しているように見てても、実際はそこに尊敬の念が満ちています。
それどころか、自分より先輩の芸人であろうが、素人であろうが、談志を批判し、トンチンカンなことをいう人間は、とことん批判し、こき下ろします。
その様は、自分でもたびたび言っていますが談志信者。
だからこそ敵も多いのでしょうが、談志と言う人間に一生を捧げた人間の生き方としてはあっぱれ!なものでしょう。
また彼が描く、晩年の談志とのエピソードは、談志への尊敬の念、愛おしさ、いなくなってしまう切なさ、そういったものがにじみ出ていて、心を打たれます。
そこに感じるのは、師弟愛。
一人の人間が別の一人の人間を尊敬しつくすということの美しさを再確認しました。
そこにあるのは絶対的な信頼。
この本を読むと、志らくさんが談志さんのことが大好きなのが伝わってきます。
それもストレートな大好きじゃなくて、何周もした結果の大好きというか。
熟年夫婦がたどり着く境地とでもいうんでしょうかね。
例えば、志らくさんと談志さんの生きての最後の対面。
談志さんはがんの手術で声を失っています。
その談志さんが、最後病室を去ろうとする志らくさんに、目で何かを訴えます。
隣にいる息子さんにはわからない。
でも志らくさんには伝わった。
「電気、消せ」
これは師匠からの最後のメッセージとして、この本の中で何度も出てきます。
その意味は、是非本文でお確かめください(笑)
このエピソードからも伝わってくる、魂の結びつきとでもいうんでしょうかね。
そういうのって素敵だなあ、と思いますね。
自分にはこの本が、天国への談志さんに向けた、志らくさんの長い長いラブレターに思えましたね。