脳内プラスチック化計劃 BYリモコン下駄夫

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運営からBANされた問題の小説(笑) 全文掲載!

こんにちは!

 

以前こんな記事を書きました↓ 

rimokongetao.hatenablog.com

 

ここで書いたように、運営から「削除せいや!」って言われたので、小説を削除しました。

 

これ↓のリンク先ですね。

rimokongetao.hatenablog.com

 

ただ、なんも記録を残さずに削除するのもなんなので(笑)、全文を載せておきます。

 

お時間のある方は是非!

 

ちなみに、今改稿版を書いています。

下品成分増量中のやつ!(笑)

 

 

上品な人、下品な人 (PHP新書)

上品な人、下品な人 (PHP新書)

 

 

この話はもうし飽きたな。うん。もうトータルで300回は話してるね。あれはおれが19の時の事さ。おれは今39だからもう20年も前になるか。20年で300回。年に15回、少なくとも月に1回はだれかに話してることになるな。ははは。まだ今月は話してないな。あんたが今月の聞き役ってとこか。しょうがねえ話すか。これが301回めだ。

 

あれはおれが19歳の時、7月の事さ。世界じゃ異常気象が発生し、天変地異が起きていた。

らしい。当時はよく知らなかったな、ニュース見なかったし興味もなかった。俺が興味あったのはただ一つ。付き合って2カ月になる彼女とどうやってセックスするか。それだけさ。

19歳なんてそんなもんだろ?まして俺はまだ童貞だったからな。一刻もはやく卒業したかったのさ。

 

彼女は1歳年下の大学1年生だった。出会ったのはバイト先でだな。おれは高校卒業して、地元の何の変哲もない地方都市でフリーターやってた。正社員で働くなんてまっぴらごめんだったし、大学行ってまでやりたいこともなかったしな。頭も良くなかったし。まあ実家で気楽にやってたよ。

 

彼女と仲良くなったのは二人とも特撮好きだったからだな。特撮ってわかるか?まあ正確なところは俺も知らないがな。俺たちは二人とも仮面ライダーとかさ、ゴジラとかウルトラマンとか。そういう着ぐるみつかった作品あるだろ?怪獣とか怪人が出てくるやつ。あれを特撮って呼んでたな。話がそれたな。まあ彼女もそういうのが好きでさ。彼女がモスラのキーホルダーつけてて、そこからいろいろ話すようになった。出会って何回目かで連絡先を交換し、一か月くらいして付き合い始めたな。

 

すまんな。前置きが長くなった。あの日の話をしよう。おれの人生を変えちまったあの日のことを。あれは7月の第3火曜日だったか、時間は22時くらい。おれと彼女はラブホテルにいた。お互い実家だったからな、そういうとこにいくしかなかったのよ。おれははっきりいってがちがちに緊張してた。AVなんかでイメトレはしてたけど、そんな知識はくそみたいなもんさ。彼女も初めてだったから緊張してたな。お互いの緊張をほぐすため(静寂が怖かったのもあるし)、俺は音楽を爆音で流してた。ラブホテルって防音が効いてるからさ。

 

 彼女とうまくやれたかって?やめてくれよ。そういう話はしたくないな。まあ君も知ってる通り、結果はひどいもんだってことだけは伝えとくよ。そいえばお互い裸で抱き合ったとき、「ドン!ドン!」って音がしたな。彼女の胸の鼓動かと思ったね。あのときもっと冷静になってればな。後悔しても遅いが。

 まあ俺の人生なんて後悔ばかりさ。小学校のときに片思いの女の子がいてさ、久美ちゃん。あの子は絶対俺に気があったね。おれの方ちらちら見てたしな。一緒にプリクラも撮ったんだぜ?告白しとけば良かったよ。あー、君らの世代はプリクラって知らないか?資源規制と電力統制が一番きつかった時代だもんな。昔まだ資源も電力も自由に使えたころあったんだよ、プリクラってのが。機械で写真を撮るとそれがシールになって出てくるんだ。妹がよくやってたよ、友達と。おれはあほかと思ったけどな。そんなにとって何になる?そもそも女ってはな・・・。

 

 ・・・おーけー、あの瞬間の話だな?分かった、話すよ。おれは枕元にあったボタンを操作して爆音で流れた音楽を消し、彼女に覆いかぶさった。音楽を切るといろんな音が聞こえてきた。なにか女の叫びような声や、男が怒鳴る声、大きな地鳴り。それに体が一定間隔で振動するんだ。おれはそんなの自分の幻聴だと思ったし、これが武者震いってやつかとも思った。童貞卒業の瞬間を目の間にして少しおかしくなってるんだろうと思ったんだろうね。そしてついにそのときが来た。

 

 おれは震えながらコンドームをつけて、自分のペニスを彼女に挿入した。その時さ。「ドガ――――ン!!!」という爆音が俺の頭上で聞こえたんだ。耳がキーンとしながら、おれはその音の方を見た。するとそこには、巨大な目があった。巨大な目が俺を見つめていた。そう、君も知ってるだろ?今も地球で暴虐の限りを尽くしている大怪獣ガミラさ。やつがその巨大な尻尾でラブホテルの屋根をぶち抜き、おれたちを食おうとしていた。

 

 おれはそのとき人生で初めて心から恐ろしいと思った。本能的な恐怖さ。だからおれは逃げ出した。彼女?そんなもんにかまってる暇はない。おれは一糸まとわず力のかぎり逃げた。逃げて逃げて逃げ続けた。背後では、ごりごりと彼女が食われる音が聞こえてきた。怖かった。今でもあいつの姿は忘れられない。ラブホテルからからがら逃げ出し、ふと振り返ってみたときのガミラの姿は。夢に見るよ。巨大な恐竜なようなそのフォルム。暗闇の中に浮かぶ月明かりに照らされた緑色の全身と人の血に濡れた口元。悪魔のようであり、同時に神のようでもあった。

 

 だから全く気づかなかったよ、全世界のカメラに俺が全裸で逃げ惑う滑稽な姿が撮られていたことも、その少し前、ガミラが屋根をぶち破り、上空から俺が人生で初めてペニスを挿入した瞬間がヘリコプターから撮られ、それが全世界に生中継されていたことも。あの瞬間がガミラがこの世界に現れた初めての瞬間だったからな。突如として現れ、地方都市を破壊しながら進むやつに世界中が注目したのは無理がないさ。いくら防音が効いた部屋で音楽を爆音で流してたとしても、そんな大騒動に気づかなかった俺たちが悪いのさ。

 

 そこから先は君も知ってるはずさ。スクリーンの中だけのはずの存在が、突如現実のものとなってしまった。悪虐の限りを尽くす大怪獣に世界は怯えた。絶望した。そんな状況の中でおれは注目された。ヤツから逃げ延びたヒーロー。セックスに気を取られてガミラ襲来に気づかなかったおまぬけ野郎。彼女を捨てて逃げた冷血漢とも。果てしない絶望のなかで世界はおれを求めた。誰かを祀り上げたり、または笑いものにすることで、くそみたいな現実をやりすごすしかなかったんだろうな。

 

 ともかく俺は、全世界に醜態をさらしてから1か月で芸能界に入った。映画に、ドラマ、バラエティに次々と出演し、歌手デビューもした。デビュー曲は「憎いアイツ」。笑っちまうようなタイトルだが、ミリオンセラーになった。はっきりいっておれは人気者だった。だがすぐ飽きられた。当たり前だよな、平凡に生きてきた何のとりえもない男でしかないのだから。ただ童貞卒業の瞬間を全世界に晒しただけの男なんだから。俺は芸能界をやめ、今はガミラによる攻撃で壊された建物を直す現場作業員をやっている。結婚もしてないし、彼女もいない。ただ生きてるだけ、いや生きてもいないかもしれない。ただ死んでいないだけさ。なにせ俺の人生のピークは19歳で終わったんだ。そこからさきはおまけみたいなもんさ。

いっそガミラに踏みつぶされて死にたいと思うよ。今度は人生で最後のオナニーしてる姿でも晒してな。