こんにちは!
今回は、森達也著「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」の感想です。
この本では、彼の映画「A」「A2」にまつわることから発展して、彼の感じたこと・思うことが書かれた作品で、いつもの森達也節が堪能できます(笑)
ですがやはりハッとする部分は多いですね。
タイトルにも書いた「お願いだ、直視しよう」もそうですし、「テレビ ニュースを見ながら、突然噴出した見も知らない人への憎悪に我ながら驚いた。」と言う部分もそう。
さらにいくつか引用します。
現在の日本での 本来のタブーは、市民社会のマジョリティを構成する良識や世論に倬差したり、異議を唱えることだ。
これに対する仕打ちは厳しい 。
黙殺というこれ以上ないほどに痛烈な報復が待っている。
国家や企業への批判は、受容できても、今の日本人全てを対象化する僕の企ては、もしかしたら この社会からは 永遠に 受け入れられないのかもしれない。
世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい 森達也 昌文社
沿岸に打ち上げられた鯨の救出劇をテレビで眺めながら、僕らはフライドチキンを頬張ったりしている。
それを否定はしない。
でも矛盾だよなあと苦笑するくらいの自覚はほしい。
麻痺しながらも、麻痺する自己に対する自覚を持つことはできる。
確かに麻痺し切ってしまった方が楽だけど、でもせめて矛盾に対しての葛藤と自覚くらいは、持ち続けたいと僕は思っている。
世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい 森達也 昌文社
この二つ目に引用したスタンスって良いなあ、と思いませんか?
どちらか極端に振れるのではなく、でもきちんとおかしいことには反応できる、そういう人間でいたいものです。
この言葉をもっときゅっ!としてくれたら、座右の銘にしてもいいかもしれませんね(笑)
今のままだと「君の座右の銘は?」とか聞かれたときに、「なげーよ」って思われちゃいますからね(笑)