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「男か女か」の二者択一を迫る社会に逆襲せよ! 遠藤まめた著「オレは絶対にワタシじゃない」 感想

こんにちは!

 

今回は遠藤まめた著「オレは絶対にワタシじゃない ランスジェンダー逆襲の記」の感想です。

オレは絶対にワタシじゃない

オレは絶対にワタシじゃない

 

 

これはトランスジェンダーである著者が、どのような人生を送ってきたかを、LGBTの人々が生きやすい社会にするための活動の記録を中心として描いたものですね。

一応LGBTについて説明すると、

 

LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。

電通ダイバーシティ・ラボの2015年の調べ(全国69,989名にスクリーニング調査を実施)では、日本におけるLGBTの割合が人口の7.6%存在すると言われています。
トランスジェンダーには出生時の身体の性別によってMtF(Male To Female)やTrans woman 、FtM(Female To Male)やTrans manという表現も用いられます。

https://tokyorainbowpride.com/lgbt/ 2019/9/23閲覧

 詳しくはこちらで確認してみてください↓

tokyorainbowpride.com

 

その中で著者であるまめたさんは、タイトルからも分かる通り「身体は女性として生まれたけど、心は男性」のFtMのトランスジェンダー

 

そんなまめたさんは最初、スカートに苦しみ、膨らんで来る胸に苦しみ、心を閉ざし、ヘッドフォンで音楽を聴きながら乱歩を読む(IN女子高 AT休み時間)という辛い日々を送ります。

犯罪乱歩幻想 (角川書店単行本)

犯罪乱歩幻想 (角川書店単行本)

 

 この部分は読んでて辛かった。

 

しかし彼が、トランスジェンダーというものを知り、自覚し、そしてトランスジェンダーをカミングアウトしたところからは本書の副題にもあるように、まさに「トランスジェンダー逆襲の記」!!!

 

鮮やかに、軽やかに、彼は「男か女か」の二者択一を迫る社会に反旗を翻していきます、仲間たちと共に。

察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方

察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方

 

 彼ら・彼女らの戦い方、自分はかなりいいなあと思いましたね。

なんというか、いい意味で堅苦しくないというか、格式ばっていないというか

 

例えばプロフィール画像を虹色(虹色はLGBTのテーマカラー)に変えるとかね。「これなら参加できそう!」というお手軽さがいいな、と。

 

その一方で、彼は政治家や官僚を動かし、国の政策に影響も与えています。

その時の話が非常に面白かった!

じゃんけんにはグーとチョキとパーの三つがあるやろ。

これがそれぞれ市民と議員と官僚やねん。(中略)

官僚は議員に弱い。議員は市民に弱い。

で、市民は官僚に弱い。

だからもし、市民が官僚をうまく動かしたいと思ったら、政治家を上手に使うことやな。

 

 なるほどねえ。

こういう風にパワーバランスが成り立っているんですねえ。

 

そんな政治論も学べる面白い本でした!