こんにちは!
あらすじはこんな感じ↓
素性不明の人気ファッションモデル・りりこは、実は全身を作り変えるほど危険な美容整形手術を施しているという重大な秘密を抱えていた。
りりこは、その美貌でトップスターになっていくが、美容整形の激甚な副作用と仕事のストレスで、心身共に蝕まれていく。
結婚を狙っていた御曹司の裏切り、自身を整形した美容クリニックの隠された犯罪を追う者、生まれながらに美しいがゆえ美に執着しない「期待の新人」である後輩・こずえが登場し、りりこは窮地に追い込まれていき、現実と悪夢をさまよう。
そして付き人の内部リークもあり美容クリニックの違法行為が発覚し、りりこの全身整形の事実も公開され、マスコミの格好の対象にされたりりこは記者会見を行うことになる。そ
のとき既に、彼女の身体も心も崩壊状態だった。皮膚は剥がれ落ち、拳銃を手に入れていたりりこは、大衆の目の前で自らの頭を撃ち抜き、まさに伝説となるつもりだったが、幻覚と似た境遇で育った刑事に会ったことで錯乱し、記者会見直前、えぐり抜いた自らの左目を楽屋に残し失踪する。
数年後、将来の目標が特になかったこずえは結局流されるままモデルを続け、次第にプロ意識を持ちモデルとして確固たる地位を確立していた。
海外のロケに出ていたこずえはスタッフに連れられてフリーク・ショーを見学する。そこで出会ったのは、自らを見世物として出演しているりりこの姿だった。
りりこは眼帯をしていたが、立派な椅子で足を組み、蛇を従え、相変わらずの美貌と生まれ持ったカリスマ的なオーラにこずえは圧倒される。
自分は先に蜷川実花監督の映画の方を見たんですが、だいぶ印象が違いましたね。
岡崎京子さんって絵がそこまで上手じゃないので、けっこう残酷なことを書いていても、そこまで深刻に見えないというか。
彼女の絵柄のおかげで、どこかファンタジーな印象を受けましたね。
また主人公のりりこも、映画版だと絶世の美貌を持ったどこか超常的な存在という印象でしたが、こちらでは悪い大人に騙された普通の女の子、という印象。
一方で映画版では運命に翻弄される人、という感じがありましたが、こちらでは奥の奥では醒めてる人(なるようになるさ精神というか)という感じがあるのが面白い。
また、漫画・映画両方に共通する要素として、スター・時代の寵児というものの正体を描いたのはやはりすごい。
彼ら・彼女らは一瞬テレビや雑誌、今だったらネットでもて囃され、称賛され、崇め奉られる。
しかし、そこで消費され尽くしたら(世間の興味が薄れたら)もうそれでおしまい。
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世間は次のスター(犠牲者)を求める。
だからこれは残酷な世間の消費欲求に運命を翻弄され、それでもそれに抗った一人の人間の物語、と自分は読みましたね。
岡崎京子さんと仲の良い歌手の小沢健二さんも「戦場のガールズライフ」によせてそんなようなこと書いてましたしね。↓
彼自身も一躍「スター」になった人ですから、この作品から何かを感じ取ったんでしょうねえ・・・。