こんにちは!
今回は羽田圭介作「メタモルフォシス」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
その男には2つの顔があった。昼は高齢者に金融商品を売りつける高給取りの証券マン。一転して夜はSMクラブの女王様に跪き、快楽を貪る奴隷。よりハードなプレイを求め、死ぬほどの苦しみを味わった彼が見出したものとは――芥川賞選考委員の賛否が飛び交った表題作のほか、講師と生徒、奴隷と女王様、公私で立場が逆転する男と女の奇妙な交錯を描いた「トーキョーの調教」収録。
表題作含め、二本ともSMクラブに入り浸るどM男性が主役です。
世の中には「Sか?Mか?」というようなことを効いてくるゲス野郎がよくいますが(きいてどうすんねん)、この二本の作品の主役は喜々として「YES!!!」と答えるのでしょう。
金払ってまだいじめられたいもんなんですかねえ・・・。
そういう世界はさっぱりわかりませんが、この小説を読むとそういう人たちの心情が理解できる、というか追体験できる、と思います。
ただ自分はどMではないので、どMの人からしたら「こんなこと思ってねーよ!」と怒られてしまうかもしれませんが(笑)
ただ羽田圭介さんの作品は、「へー、こういう風に思ってるのねえ」と思わせてくれるだけの、圧倒的な筆力とディティールがあるんですよね。
人間の奥底の、人には見せないどす黒い欲望をさらけ出す。
そこが彼の作品の魅力だと思います。