こんにちは!
今回は映画「湯を沸かすほどのアツい愛」の感想です。
監督・脚本 中野量太
あらすじはこんな感じ↓
銭湯・幸の湯を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。
母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘を育てていた。そんなある日突然、
余命2ヶ月という宣告を受ける。その日から彼女は「絶対にやっておくべきこと」を決め実行していく。
【家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる】【気が優しすぎる娘を独り立ちさせる】
【娘をある人に会わせる】その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、
彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。
そして家族は、究極の愛をこめて、母を葬(おく)ることを決意する。
このブログをよく読んで下さっている方はご存知かもしれませんが、自分の母親もこの映画の主人公と同じく、末期ガンと宣告されました。
さすがに2,3カ月ではありませんが、一年。
だからこの映画、普通に映画を見るのとはちょっと違う観点で見ていたという側面はあるかもしれません。
その上でまず結論を言うと、「この主人公がガンが完治して安易に助かる」みたいな展開にならなくてよかった。
しっかりと死んで、葬式のシーンまで描いてくれたのも、良かった。
こういうことを書くと「お前は母親にさっさと死んでほしいと思っているのか!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん違います。
一日でも長生きしてほしいと心から願ってます。
ですが、末期ガンというのは完治が非常に難しいのです。
残念ながら、それはほぼほぼ起こらない。
だとするならば、この映画の主人公のように、自らの来るべき死を受け入れ、自分の人生に決着をつけていく。
それの方がかっこいいじゃないですか。
もちろん一縷の望みをかけて、治療に奔走する。
それもまたひとつの生き方です。
でも、覚悟決めて残りの人生生きる、それの方がすっきり逝ける気がするんですよね。

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そういう意味でこの主人公はすごく強いし、カッコイイ。
例えばガンを告知されると最初に娘に何をするか。
ブラジャーを買って渡すんです。
そしてつぶやく「ブラジャーの儀、完了」(台詞違うかもしれません笑)。
このシーン、すごく深いシーンだと思うんです。
娘にブラジャーを渡す。
それは自分が見ることのできない、女性として成長していく娘の姿。
でもその最初の姿には立ち会いたいという母親としての感情。
同時にそれを行うことで母親は少女に女性(=大人)としての自覚を促す。
なぜなら自分はいつ死ぬかもわからず、もしかしたら娘はこれから社会の荒波に一人で立ち向かわなければならないかもしれない。
だから一刻も早く、大人にならないといけない。
そういう複雑な感情のからまりあったシーンだと自分は解釈しました。
初っ端からこんな良いシーンがあるんですから、これがダメな映画なはずがないですよね(笑)
非常に良い映画です。
是非。
自分も母に勧めたいと思います。