こんにちは!
今回は河原一久著「スター・ウォーズ論」の感想です。
2015年12月18日、スター・ウォーズの最新作「フォースの覚醒」がいよいよ公開されます。ディズニーの買収によって、物語はどんな変貌を遂げるのか。公開前からヒットが約束されている作品だけに、多くの方が注目されていることと思います。
スター・ウォーズは、一説には全世界で10億人が観たとされる「お化けコンテンツ」です。しかし実のところ、当初は、映画会社からろくに理解されない「ボツ企画」でした。なぜハリウッドの優秀な映画プロデューサーたちが、同作の受容を見過ごしてしまったのか。監督のジョージ・ルーカスは、この作品において何を描きたかったのか。スター・ウォーズが起こした「革命」とは何だったのか――。本書は、映画の歴史や数々の証言をふまえて、スター・ウォーズという最強コンテンツの本質に迫る一冊です。
著者は、かつて日本語字幕を監修するなど、シリーズの発展を間近で見てきた人物。30年にも及ぶ「なぜこんなにも面白いのか?」という思索の答えが、この一冊にすべて詰まっています。
ディープなマニアからライトなファンまで、必読の決定版となりました。スター・ウォーズを語るならば、本書と共にあれ!
こういう新書にありがちな「〇〇論」というタイトルの割には、基本的な情報とトリビアを羅列しているだけで、内容や考察には踏み込んでいない、という現象。
この本もそういう傾向、ありますね残念ながら。
自分はスター・ウォーズのことをよく知らないので、読んで楽しかったです。
ですが、ディープなスター・ウォーズファンの人からしたら、物足りないだろうなあ、という気がします。
「スター・ウォーズ論」を名乗るなら、もっと踏み込んでほしかった。
ただ最後の二章、ディズニーによるルーカスフィルムの買収に絡む章は良かったと思います。
なぜディズニーだったのか?
そもそもなぜ売却したのか?
その謎(?)が解き明かされて行きます。
特に「なるほどねえ・・・」と思ったのが、「なぜ新作にルーカスは深くかかわらないのか?」という部分。
これはディズニーが創業者・ウォルト・ディズニーがなくなった後、大変に苦労した経験を反映しているんじゃないか、という読みなんですが、当たっているでしょうね。
ルーカスが生きているうちに世代交代をする必要があるんです。
このディズニー体制に移行したタイミングで「スター・ウォーズ=ルーカス」という図式を断ち切らないと、ルーカスが死んだ瞬間に、スター・ウォーズというコンテンツは終わるからです。
スター・ウォーズを作り出せるのがルーカスだけになってしまうと、ビジネスとして非常に困るわけですからね。
死んだらそれで終わりでは、買収した意味がない。
だからこそ、今のディズニー制スター・ウォーズはビジネスとして正解なんだ、と。
ここはすごく納得したし、腑に落ちたところです。
そういう意味で、最後の二章は良かった!と言っておきましょう(笑)