こんにちは!
今回はドラマ「そのおこだわり、私にもくれよ!」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
このドキュメンタリーは、フィクションである。
映画、ドラマ、バラエティー…どの仕事でも期待以上の結果を残す、器用で要領のいいマルチプレイヤー松岡茉優。しかしその正体は、好感度を気にする繊細で優柔不断の臆病者。常に周囲の顔色を伺い、「自分が何をしたいか」よりも「何をしたら人が喜んでくれるか」を優先し、時に本心とは違う言動をしてしまう、いわゆる“八方美人"。
松岡がプライベートでも仲の良い女優・伊藤沙莉とともに、MCを任された新バラエティー。こだわらなくてもいい事に敢えてこだわり、そこに自分だけの幸せを見出し楽しんでいる“おこだわり人(びと)"を紹介する。
そんな「おこだわり人」に対して、誰にでも好かれようとする「松岡茉優」は、最初は持ち前の器用さで盛り立てようとするが、周りの反応を見るうちに、迷いが生じ始める。ゲスト出演者は、その「松岡茉優」に影響を与えたり、支えたりする役割でもある。その結果として、自分の“おこだわり"を探し始めた「松岡茉優」がたどり着くのは、いったい何なのか・・・?
良いドラマでした。
演者の二人、松岡&伊藤コンビも演技が上手で自然だし、やはり監督:・松江哲明の演出が最高です。
このドラマが面白いのが、いくつもの二つの対立軸があり、それが複雑に混じり合うという構造。
真面目な松岡に対し、自由奔放な伊藤。
バラエティ番組という「フィクションの世界」とその演者である二人の女優の、バラエティ番組のMCという仮面を取った時にでる「リアルの世界」。
ゲストたちの「おこだわり」に対する「称賛」と「無関心(しょーもなさ)」。
そして何より「清野とおるの原作を元にしたバラエティ番組製作」という建前と、「松岡茉優の成長」という真のテーマ。
これらの軸が20分弱の中にぎゅぎゅっと凝縮されて1話。
この濃度の濃さ。
そしてそうそうに「清野とおるの原作を元にしたバラエティ番組製作」という建前は投げ捨てられ、MC二人の人間関係に移行していくことで生じる、先の読めなさ。
最後の方は「おこだわり」がもはやほとんど関係なくなっているし、「ゲストのおこだわりを聞く」という大前提が素直に遂行された回は1/3にも満たないんじゃないでしょうかね(笑)
でも、その絶妙な脱線の仕方、そして主従の逆転こそが、松江哲明ワールド。
とにかく絶品の作品です。
是非!!!