こんにちは!
今回は 伊藤 龍平 著「ネットロア: ウェブ時代の「ハナシ」の伝承」の感想です。
「くねくね」「八尺様」「南極のニンゲン」――都市伝説的な奇妙な「ハナシ」は、ネット時代にどう伝承されるのか。「ハナシ」がインターネット上で増殖していく仕組みと内容の変容を巨大掲示板やSNS、動画共有サイトを事例に解き明かす異色のネット研究書。
怪談や怪奇現象、秘境、未確認生物などをめぐる説話は、ネット時代にどのように伝承されているのか―「都市伝説」「オカルト」「噂話」などの奇妙な「ハナシ」がインターネット上で増殖していく仕組みを「2ちゃんねる」などの掲示板を中心に、SNSや動画共有サイトも視野に入れて明らかにする。
これはコンビニに売っているような、うれない芸人くずれやYOUTUBERが書いているような、ネットに書いている情報を適当に編集した凡百の都市伝説本とは一線を画す(そういう本もある意味スナック菓子のようで面白いけれども笑)本です。
じゃあどんな本なのかというと、「都市伝説をネット時代の民話」として捉え直し、学術的に研究したもの、なのです。
タイトルにある「ネットロア」の「ロア(LORE)」とは、「言い伝え」という意味。
つまり「ネットロア」とは「ネットによる言い伝え」のことであり、その具体例が「くねくね」「南極のニンゲン」なのです。
そしてこの本では、それらがなぜネット界隈で受け入れられ、広まっていったのか、その裏にある時代性や精神構造を分析していくのです。
まるで現代の柳田国男のようではないですか!(笑)
また、口承(口で伝える物語)、書承(書籍で伝える物語)に対し、ネットで伝わる物語を電承と称したのも画期的で良かった!
若干ダジャレっぽいけど(笑)
さらに、いわゆるネットで有名な都市伝説の代表例である「くねくね」「南極のニンゲン」にとどまらず、同じような広まり方をした存在として「鳥居みゆき」を取り上げているのも内容に幅が出て非常に良いと思います。
彼女の持つ不気味さと魅力はたしかに、ある意味都市伝説的ですしね。
そんな面白い本ですので、是非読んでみて下さい!!!
おすすめです!!!