こんにちは!
今回は映画「初恋」の感想です。
監督 三池崇史
あらすじはこんな感じ↓
プロボクサー・葛木レオは、余命いくばくもないという診断を受け、歌舞伎町を彷徨っていた。
そんなとき「助けて」と、レオの前を少女が駆け抜ける。レオは咄嗟に反応し、少女を追っていた男をKOしたことから事態は急転。ヤクザ・チャイニーズマフィア・警察組織が入り乱れ欲望渦巻く“ブツ"を巡る抗争に巻き込まれ、人生で最高に濃密な一夜が幕をあける。
https://www.amazon.co.jp/dp/4198945241?tag=hatena-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 2020/3/9閲覧
「オーディション」「DEAD OR ALIVE」のように大当たりの作品もあれば、「テラフォーマーズ」「龍が如く」のように大外れの作品もある。
良い意味でも悪い意味でもふり幅がすごい監督・三池崇史。
そんな彼の最新作ですが・・・。
最高の映画でした!
本当に最高!
ここまで登場人物全員のキャラがバキバキに立っている映画、そうそうないんじゃないでしょうかね。
しかも単発映画2時間弱で!
これは別の記事でも書きますが、本当に全員の個性がすごい。
まあ主人公とヒロイン以外はぜんいん死んじゃうんですけどね(笑)
・テーマ
この映画のテーマは「生と死」でしょうね。
映画「ジョン・ウィック」シリーズ的にいろんな方法で人が死ぬわけですが、これがいちいち楽しい!
バリエーションが豊か!(車で頭を引きつぶす、急発進と急停止を駆使して殺す、ホームセンターを活用して殺す、などなど笑)
しかしジョンウィックと違って絶対的なヒーローがいるわけではなく、殺し殺され合う。
ここに生の儚さと死の絶対性があるわけですね。
この映画のなかで人を殺した人間は必ず殺されます。
唯一主人公だけは死を逃れますが、それは彼が意識の上で一度死んだからじゃないでしょうか。
(医者に脳腫瘍で死ぬと宣告され絶望するが、それは誤診だった)
そういう意味であまりにも過剰ではありますが、死を描くことで逆説的に生を肯定するというか。
まあ本当に死の方向にだいぶウェイトが置かれていますが(笑)
・タイトルの意味
タイトルにもあるように「生きること」の活力となるのは「恋」(というか愛)。
死んだように生きていたどん詰まりの二人(この映画の登場人物は基本どん詰まっている)が、互いを愛することで生に価値を見いだす。
ラスト、簡潔に描かれる二人のその後の生活のうつくしいこと!
特に素晴らしかったのは、しゃぶ中のヒロインが薬を抜くために治療するシーン 。
ここの彼女の絶叫の、エネルギーのすごさ!
「絶対生きてやる!負けない!」という圧倒的な生への肯定感に満ちているではありませんか!
そして愛するものがいる主人公の目の輝き!
一度死ぬことになると絶望し、九死に一生を得るクレイジーすぎるヤクザの抗争に巻き込まれることで、きちんと自分の生に向き合って、死んでいた目が輝きを取り戻す!
これが本当に「男!」て感じでカッコいいんだ・・・。
(目が死んでいるときはそれはそれでかっこよかったけど笑)
主人公にとっての「初恋」を経て、彼は生きる意味を手に入れたんですね。
良かった良かった!
終わりに
本当に最高な映画です 圧倒的にエネルギーに満ちた、これこそ映画です!!!