こんにちは!
今回は仮面ライダーゼロワンの総評です。
・コロナの影響を強くうけた作品
コロナがなければ・・・。
どうしてもそう思ってしまう作品でしたね。
面白かった序盤を経て、地獄のようにつまらなかったお仕事5番勝負(たまに面白い回がある程度)、そしてこれから終盤に向かって面白くなっていくぞー!!というタイミングで総集編につぐ総集編。
総集編明けの終盤の展開はかなり面白かったですが、やはりバタバタと終わってしまったという印象は否めない。
一見滅とアルトの対決を経ての和解でうまく収まったように見えますが、物語的にもテーマ的に未回収のものは多いわけで。
その中でも代表的なのはヒューマギア。
・ヒューマギアにまつわるあれこれ
そもそもシンギュラリティって何だったの?
夢を持つってどんなヒューマギアでも可能なの?
ヒューマギアがシンギュラリティに達したとき、それはもう人間と等しいの?
ヒューマギアに給料は払うの?
ヒューマギアは給料をもらったとして何に使うの?
ヒューマギアの法的責任はすべて飛電に行くの?
ヒューマギアに人権はあるの?
シンギュラリティに達したヒューマギアを売買することは奴隷契約と等しいのでは?
そもそもシンギュラリティに達する可能性のあるヒューマギアを売買することは正しいことなのか?
などなどなど、疑問は尽きないわけです。
もしコロナがなかったとしても、ヒューマギアと人間、そして仕事いうものをしっかりと納得できるように定義ができたかはわかりませんが、やはり現状考えれば考えるほどモヤモヤしてしまうヒューマギアという存在。
いったい作り手側がどこまで「ヒューマギアがいる社会」というものを真剣に考えていたのか。
そして本来、どこまで「ヒューマギアと社会」を描くつもりだったのか。
ここら辺現状ではかなり残念なことになっているので、映画なり小説なりで補完していただきたいところですね。
そしてそのヒューマギアというものの定義や位置づけがふわふわしてゆえに、ヒューマギアと密接にかかわる主人公アルトというキャラクターの理念もよくわからなくなってしまう。
・史上最もよくわからない主人公・アルト
終盤闇落ちしたアルト含め、結局最後まで「こいつ何考えてんのかわかんねーな」と思いながら見ていましたね。
それは結局のところ「飛電インテリジェンスの社長」「仮面ライダー」としてのアルトは散々描かれたもの、「一個人としてのアルト」というものがほとんど描かれていないし、まったく見えてこない。
アルトだって一人の人間。
なのにこの男はずーっと何か「仮面」を被り続けていて、その本心を見せていない気がする。
また、終盤イズが壊されてぶち切れた闇落ちしましたが、それが彼の個人としての本心なのか。
それとも社長として優秀な社長秘書を殺された悲しみか。
仮面ライダーとしてイズを守れなかったら怒りか。
それも含めて1年通してもよくわからない男でしたね、飛電或人。
・最大の中だるみ お仕事対決5番勝負
個人的にゼロワンをあまり高く評価できない理由の一つがこのお仕事対決5番勝負。
いやあ、これはひどかった。
10週かけて何か得るものがあっただろうか・・・。
コロナで総集編が入るというのはわからなかったとしても、ここでせめて「ヒューマギアと仕事」というテーマをある程度決着をつけてくれたら良かったのになあ・
そもそもの仮面ライダーゼロワンの企画の出発点は「機械(ヒューマギア)に仕事を奪われたらどうなる?」という話でしょう。
そこに対する解決があまりなかったのが残念でしたね。
終盤でヒューマギアがデモを起こしたりしましたが、これもめちゃくちゃ雑に処理されちゃいましたしねえ。
・まとめ
序盤・終盤は面白かったです。
それは認めます。
でも中盤の中だるみは仮面ライダー史上でもゴーストにならぶひどさだったのもまた事実。
コロナがあったから仕方ないとはいえ、様々な要素や作品の本質的なテーマがないがしろになってしまったのも事実。
今までにない異例の展開になってしまったゼロワンですから、最終的な判断は映画を見てから、という感じでしょうか。
もし映画でお仕事5番勝負や描き切れなかったテーマをすべて回収したらかなり評価も変わってくるとは思いますがね。
関連記事はこちら↓