こんにちは!
今回は風カオル作「ハガキ職人タカギ!」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
ハガキ職人の世界描いたコメディー小説!
第15回小学館文庫賞小説賞受賞作。イマドキのオタクにスポットを当てたリアルな新感覚青春ユーモア小説。
広島県在住の高校二年生、高木正広は、筋金入りのラジオ番組のハガキ投稿オタク。今日もネタ帳とにらめっこ。クラスの女子は気味悪がって近寄ってこないが、そんなことは全く(全くでもないが・・・)気にならない。厳選したネタを、深夜のラジオ番組に投稿することが使命なのだから。深夜ラジオでは、ちょっと名の知れたハガキ職人。ラジオネーム・ガルウイング骨折として、全国のラジオリスナーにその名を轟かせている。そんな高木が東京のハガキ職人たちと対決することに。運命の歯車が狂い出す。解説に、時代を牽引する社会学者・古市憲寿さん。
https://www.amazon.co.jp/dp/4094061568?tag=hatena-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 2021/4/23閲覧
最近ラジオをよく聞きます。
テレビが生まれ、YOUTUBEが生まれ、動画があるのが当たり前になった今でも、時代に逆行するように声だけで何かを伝えようとするスタイルが面白いと思うようになったからです。
といっても深夜に起きていることはできませんし、そもそもラジオを聞く機器もないのでradikoですが(ちなみにこの小説の主人公である高校生もradikoユーザー)。
さて、そんな自分にとって割と身近な題材のラジオについて書いたのがこの小説。
ラジオのネタコーナーに応募するハガキ職人を目指す高校生の物語です。
本文中にも繰り返し書かれているように、主人公は地味で、モテなくて、クラスの端っこにいて、童貞で、引っ込み思案で、それでも面白いことが大好きな少年。
まずこの主人公像がいいですよね。
すごく共感できます(笑)
またこのクソ童貞の主人公のひねくれた世界の見方も良い。
「そうそう、高校生の時は世の中を拗ねた目で見てたよなあ・・・」と遠い目を浮かべてしまいます。
さらに「ハガキ職人サイコー!!」というシンプルな話ではなく、その中のドロドロした人間関係、同じラジオでもお笑い芸人がやっているラジオとアニメ系のラジオのそれぞれのリスナーの間にある微妙な距離感、ハガキ職人の中にも存在する格差等々、妙にリアルなシビアさもまた面白い!!
言うならば「ハガキ職人という存在が本来持つイタさ」(芸人でもなく、素人でもなく、でも同時にそのどちらでもある)のようなものも逃げずに描写しているのが良かった!
そんな感じでなかなか面白い本ですので興味がある方は是非!!
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