こんにちは!
今回は岩波明著「他人を非難してばかりいる人たち」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
マスコミやネット住民はバッシングが大好物。失言やトラブルによって「悪人」となった対象を見つけては非難するが、最近ここに一般の人も追随し、まるで国民総出のいじめの様相に。このとき、非難する側は必ず「正義」を振りかざすが、実は他人を傷つけて楽しむ心理も混在する。もともと、似た価値観を共有する日本人は、差異に対して敏感で嫉妬を抱きやすく、異物を排除する傾向が強い。さらに、適度に豊かな現代には空虚さが蔓延しており、若者は悲観的で自信がない。現代人の心の歪みを、精神科医である著者が斬る!
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着眼点は良かったと思います。
いますよね、他人の悪口ばっかり言ってるしょーもない人間。
作者は精神科医なんですから、もっとそういうところにフォーカスして書けばよかったのになあ、と思います。
でもそうはなってないんだよなあ・・・。
なんだろう、浅いなあ、と。
まず扱う題材が悪い。
なんでいわゆる芸能人スキャンダルにばっかりフォーカスするのか?
上にも書いたように作者は精神科医。
芸能スキャンダルは門外漢なわけで、結果議論は浅くならざるを得ない。
普通に仕事柄接する精神科の患者の話でいいんじゃないの?
また、仮にそれにフォーカスするのは良いとしても、メインとなるのがマスコミとか世間とか、そういう大きな話ばかりで読みごたえがない。
どうせならもっと陰湿なネットイジメとか、そういう扱いがいのあるものにフォーカスして、タイトルにある「他人を非難してばかりいる人たち」の持つ闇とかくだらなさとかしょーもなさとか、そういうのを露呈させてほしかった。
さらに、なぜか芸能スキャンダルにフォーカスしたことにより、本書のメインである「他人を非難してばかりいる人たち」という主題を貫けなくなったのかわかりませんが、問題を起こした側の人を過剰に庇いすぎている気がします。
例えば報道を苦に自殺したとある政治家について
「コワモテで恫喝屋であったかもしれないが、〇〇氏はどこにでもいる普通の国会議員だったのだ」
と書いてあります。
うーん、普通の国会議員ってコワモテで恫喝屋なもんなんですかねえ?
国会議員てそんな地方のヤンキーみたいな連中ばっかりなんですかねえ?(笑)
ということで結論としては、扱うテーマは良かったんですが、扱う題材が悪すぎたという感じですね。
まあでもこんなこと書いたら、自分も「他人を非難してばかりいる人たち」の仲間に入れられてしまうかもしれませんね(笑)
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