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レガシークエル問題な映画 スクリーム(2022) 感想

こんにちは!

 

今回は映画「スクリーム(2022)」の感想です。

 

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・スクリームシリーズのお話

 

スクリームというシリーズには二つの側面があります。

大きく括ればホラー映画、もう少し網の目を細かくするのならばスラッシャー映画、というジャンル映画の作品である、という側面。

 

その側面は、マスクを被った殺人鬼がナイフで襲い掛かり、血が流れ、ショッキングなシーンが描かれることで十分表現されています。

その部分も良くできていて良かった。

 

 

そしてもう一つの側面は、メタ映画である、ということ。

 

なぜこの作品が作られたのか?

観客はこの映画をどう思うのか?(より正確に言うと、観客はこの映画をどう思う、と製作者は思っているのか)

今のホラー映画界、ハリウッドの潮流は?

そういった部分をホラー映画オタクのキャラに滔々と喋らせ、この映画を見ているホラー映画ファン、映画ファンをニヤニヤさせる要素がある。

 

 

今回もそれはしっかりと残っていて、細かいネタは色々ありつつも、大枠で言うとレガシークエル映画ってどうなの?というところに帰着されるのかなあ、と。

 

 

・レガシークエルとは

 

このレガシークエルという言葉は最近生まれた新しい用語のようで、レガシー(遺産)とシークエル(続編)をガッチャンコしたもの。

要するに昔ヒットした映画をリメイクするのではなく、続編として作る。

新しいキャストを登用しつつも、そこにオリジナルキャストも投入することで新旧どっちのファンも取り込もうという、2010年代後半くらいから流行り始めた手法ですね。

 

ホラーでいえばハロウィン新三部作や「エクソシスト 信じる者」、ハリウッド映画全体では「ジュラシックワールド 新たなる支配者」や「ターミネーター ニューフェイト」、「スパイダーマン ノーウェイホーム」「ザ・フラッシュ」などのアメコミ映画でも昔の役者が同じ役でカムバック、というのも最近多いですよね。

 

 

 

 

で、この映画もそのレガシークエル手法を取り入れてるんですね。

それこそリブートを意図した(そしてあんまり上手くいかなかった)前作からですら10年経っている本作では、オリジナルのお馴染みのキャラが三人登場。

このレジェンド三人が主人公達を導く存在として登場し、新しい主人公達によるスタートを見守る。

これぞレガシークエルという手法をやっているわけですね。

 

・レガシークエル✖︎メタ

 

 

そして面白いのが、レガシークエルとはこういう手法で〜ということを、これまたオタクのキャラクターが説明する。

 

だからこの映画を見ている観客は、

いや、この映画もそうじゃん!

と画面に向かってツッコむことになる。

 

(これもレガシークエル映画と言えなくもない?

 

さらに言うと、オタクキャラが

そういう映画ってタイトルをオリジナルと同じにしたりするんだよねー、ややこしい

みたいなことも言う。

 

これも

いや、お前もそうじゃねーか!

と観客がまた画面に向かってツッコむことになる。

 

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(これもそうなのかな?)

 

こういう、メタ的な展開、セルフノリツッコミをやっているのがすごく面白い作品でした。

 

そしてそして、近年のレガシークエルの流れを作った張本人の一つであるスターウォーズ、特にエピソード8にこの映画は影響を受けている(のか、いじっているのか)のだろうなあ、というのもよくわかる映画です。

 

作中のある重大な展開に対して、事前に予防線のように、これまたオタクキャラに説明させていたり、なによりもラストの展開、犯人がなぜこんなことをしでかしたのか、と言うこと自体が、このある種レガシークエル問題に直結している。

 

 

・レガシークエル問題とは?

 

レガシークエル問題とは、レガシークエル映画は、ファンのためのものか、映画会社の金儲けのためのものか、という話で。

大好きな映画が、オリジナルの監督やスタッフとは関係のないところで作られ、そっとしておいて欲しかったファンが映画を掘り起こされ、勝手に欲しくもないその後の話を語られ、なんなら大好きなキャラが殺されたりする。

 

オリジナルのファンとしては、

私の大好きなあのキャラクターは平和に余生を過ごしていると思っていたのに!赤の他人が何してくれてんだ!!

お前ら所詮金儲けだろうが!本気じゃねーだろうが!!

てか、ネタ切れで企画思いつかねーだけだろ!!!

と怒るわけです。

 

そんな反応に対して新規ファンやら革新性や話の構造、ストーリーを評価する批評家からは、

現実と空想の区別のつかないやつとか、いつまでも旧作に囚われているとか、痛いファン、有害、老害だとか言われるわけです。

 

まさにこれが「スターウォーズ エピソード8」でルークが殺された時に、ふざけんな!金儲けのためにキャラを犠牲にするな!となったオールドファンと、いや、これこそが新時代だよね!と褒めた批評家(と一部のファン)の対立で。

 

 

この映画でもレジェンドキャラが一人殺されるわけですが、そこら辺も含めて非常にメタ的。

真犯人は、今まで書いていたようなことは全て織り込み済みで(エピソード8の監督であるライアンジョンソンの名前が出ることから自覚的にやっていることはほぼ確定的)、なんなら自分が起こした時間がレガシークエル映画として作品になるだろう、ということも見越して事件を起こすという、超メタな展開。

 

レガシークエル問題にも一応の結論というか、本作なりのスタンスも示しますしね。

 

・終わりに

 

いやー、本当にメタメタで楽しい映画でした。

是非是非ご覧ください!!!

 

できれば、併せて過去シリーズも!

 

 

 

さらに続編も既にあります!

(日本では本作同様ビデオスルー)

 

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おしまい!