こんにちは!
皆さん、コンビニにはよく行きますか?
自分は週に一回は必ず行って漫画本コーナーを眺めているのですが、そこで気づいたことがあるんです。
それは、「魚乃目三太必ずいるよなあ」ということ。
祖母のカツ丼 魚乃目三太作品集2 (全1) (思い出食堂コミックス)
- 作者: 魚乃目三太
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2019/07/29
- メディア: コミック
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時にはこういう↑単行本、時にはこういう↓アンソロジー本に書き、彼は必ずコンビニ本コーナーに常にいる気がするんです。
朝ごはん 朝食専門!朝ごはん亭 (B6判サイズ(ペーパーバックスタイル・グルメ人情廉価コンビニコミックス))
- 作者: アンソロジー
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2015/07/13
- メディア: コミック
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で、こういうコンビニ本コーナーに必ずかどうかはさておき、かなりの高確率で彼の作品がある、ということは、それだけ彼のマンガが需要がある、ということ。
実はコンビニ本コーナーというのは、一般の書店の漫画コーナーとは少し傾向が違うんです。
書店の漫画コーナーというのは、わざわざ本屋に、漫画コーナーにやってくる、本好き、漫画好きな人たちに向けた棚作りをしています。
一方、コンビニ本コーナーは、食料や飲料、日用品を買いに来た人、また振り込むにくる人etc、つまり本以外を目的にする人(漫画を読まない人)にも訴求しうるような棚作りをしているわけです。
そこで魚乃目三太の出番なわけですよ。
彼が書くのは基本食に関すること。
そして彼の作風というのは、よく言えば昔ながら、悪く言えば凡庸。
デフォルメされたキャラクター、古臭いカット割り、使い古された台詞、特に面白くもないオチ。
彼の作品というのは間違ってもヴィレッジヴァンガードにいるような漫画好きサブカル女子の話題には上らないような、おっさんサラリーマン向けゆるゆるグルメ漫画。
でも、それでいいんです。
むしろそれだからこそ、コンビニ本に彼は必ずいるわけです。
コンビニには、コンビニでしか流通しない、表紙ペラッペラで紙の質もあまりよくない製本の「いわゆるコンビニ本」が存在します。
こういう本は、サラリーマンのおっさんが弁当と一緒に買って、食べながら読んで、終わり。
コレクションなどとはあまり縁がない、書店にある本とは少しポジションの違う本。
いわば使い捨て、読み捨てされる本。
だからこそそこに、魚乃目三太のような頭を使わなくていい、そこまで集中しなくても話が理解できる、特に面白くはないがつまらなくもない(薬にも毒にもならない)ちょうどいい漫画の需要があるわけです。
自分は決して彼の漫画がダメだ、といいたいわけではありません。
むしろそういう自身のクリエイティビ的なものよりも、自分の力量(間違って少年ジャンプで天下取れる漫画家ではない)と読者のニーズをきちんと把握し、職人として漫画を描き続ける。
素晴らしいじゃないですか。
だからこそ彼はコンビニ本コーナーで見ない日はない売れっ子漫画家なわけですから。
アートな漫画だけが漫画ではないのです。
こういう生活に根差した漫画もいいじゃないですか。
さて、次回は魚乃目三太と共通点の多い作家、ラズウェル細木について考えたいと思います。
PS
久々に気合の入った記事を書きました。