こんにちは!
今回は坂上秋成作「モノクロの君に恋をする」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
四月、俺の未来は薔薇色に見えた。浪人覚悟で受験した大学に合格、そこには面倒見のいい先輩と、あわよくば恋人がいて、大好きな漫画の話もできる、充実の日々があるはずだった。だが、漫画サークル「パラディーゾ」に入った俺を待っていたのは、奇人・変人の先輩たちとの日々。違う。待ってくれ。それに俺が気になるあの女の子は……。漫画への熱き想いを描く、切なく甘い青春小説
https://www.amazon.co.jp/dp/B077P72N4V?tag=hatena-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 2020/3/3閲覧
楽しい小説でした!
「ジョジョ」や「ワンピース」などの少年漫画から「君に届け」などの少女漫画、萩尾望都なんどの「名作漫画」まで幅広くネタをカバーしているのが好感度が高かったですね。
時々、オタクサブカル系童貞大学生の、自己憐憫と自己嫌悪が鼻につきますが、それはまあ、同族嫌悪というやつでしょう(笑)
内容自体は、「海月姫」のような話ですかね。
あれは女子オンリーの(女子高的)世界の話でしたが、こちらは男女・老い若いも混じり合った(共学的な)世界のお話という違いはありますがね。
さてさて、そんな本作ですが、オタクと一般の方々の違いを表すすごく良い文章があったので、そこを最後にご紹介します。
それがこちら!
「大好き」の意味が全然違うものだったんだ。
漫画を読んで、楽しかったよね、凄かったよねって言って満足出来る人がいる。
漫画を読んで、細かいシーンや台詞やキャラクターについて、徹底的に語らないと気が済まない人がいる。
どちらが正しいって話じゃない。
ただ-そのふたつは、どうしようもなくかみ合わないってだけだ。
坂上秋成 「モノクロの君に恋をする」 新潮社 2017
自分の場合映画ですが、同じ経験がよくあります。
映画を見て「はー楽しかった。ところで次どうする?」みたいな感じで、一行しか感想がない人っているんですよね。
じぶんみたいな語り合いたい側の人間からしたら「え?それだけなの?!」ってなっちゃうんですよねえ。
ブログをやっている人ってだいたい後者なんじゃないですかね(笑)
そういう意味でこの文章にはすごく共感しましたね。