こんにちは!
今回は映画「いぬやしき」の感想です。
監督 佐藤信介 脚本 橋本裕志出演 木梨憲武 佐藤健 本郷奏多 二階堂ふみ
まずこの映画でよかったところをいいます。
それは序盤のヒロ(佐藤健)のシーン二つ。
一つはチョッコー(本郷奏多 そういえば同じタイミングでやってたアニメ版でも声優をこの人がやるというどうでもいい企画をやっていた)の元にやってきたヒロが水を飲むシーン。
ここが直前の犬屋敷(木梨憲武)が水を欲するシーンと対応していて、ヒロがもう人間じゃなくなったことをスマートに示していてよかった。
もうひとつはヒロが最初の殺人(?)をするところで、ここが父親とのシーンの直後に入ることで、殺人をする動機付け(家庭環境に恵まれないから幸せな家庭を壊す)がうまくされていた、と思います(原作だとバラバラのエピソード)。
ただそこ以外はダメな漫画実写化の典型で、ダイジェスト的に原作のエピソードをダダダダダッとつないでいくだけなので、ラストの正義と悪のぶつかり合いも映画的なカタルシスは皆無。
自分は原作を読んでいたので「へー、そことそこをつなぐのね」となんとか理解できましたが、未読の人は完全に意味不明でしょう。
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そもそも本作は、原作8巻くらいまでを映画化してるんですね。
で、原作にあるささやかに生きているカップルをヤクザが寝取って薬漬け(?)にし、それにぶちぎれた犬屋敷が組を壊滅させるという非常に胸糞悪い話が2巻分くらいあるんですが、そこは丸々カットなので、実質6巻くらい。
この映画は約120分なので、1巻に掛けられる時間はおよそ20分。
しかもどこかをバッサリ切って全体としての構成をよくするというような工夫はほぼなく、すべてのエピソードをちょこちょこと切り取ってくるだけなんですよね。
なので本当にダイジェスト映画。
まあ原作のラスト2巻の隕石編という超絶蛇足エピソードを入れなかったのがせめてもの救いかな。
自分はそこがあまりにもクソだったので、読み終わった次の日に「いぬやしき」全10巻ブックオフに売り飛ばしましたからね(笑)
あ、CGはけっこう頑張ってましたよ。