こんにちは!
今回は映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
ソウル発プラン行きの高速鉄道KTXで突如起こった謎の感染爆発。列車内で凶暴化する感染者たち―乗り合わせたのは、妻のもとへ向かう父と幼い娘、出産間近の妻と夫、そして高校生の恋人同士…彼らは終着駅にたどり着くことができるのか―?目的地まであと2時間、絶体絶命のサバイバルが今はじまる!
韓国製ゾンビ映画。
アクションあり、スリルあり、感動あり。
ただゾンビが出てきて「きゃーこわい」という、B級、C級、Z級映画とは一線を画す素晴らしい映画です。
ハラハラドキドキして、心を揺さぶられて、感動して、考えさせられて、これこそが映画。
新幹線(しんかんせん)の中の話だから「新感染(しんかんせん)」、「ダジャレじゃねーか」というB級感ある(笑)タイトルからは想像できない最高エンタテイメント超大作。
韓国でも大人気、大ヒット、映画賞受賞しまくりの大傑作。
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絶対見て損はない一本、おすすめです。
さて、以下では本作の考察、というか誰に着目すれば良いのかというお話です。
キーになるな、と思うのは三人。
まずは主人公・ソグ。
彼は仕事人間、かつ軍部とのパイプも持つエリート。
そんな彼は自己中心的な人物で、自分の娘にすら「自分のことだけ考えて生きろ」という、嫌なタイプのエリート。
次はサンファ。
妊娠中の妻をやや過剰気味にケアする、家族や仲間を大事にするタイプの人間。
そんな彼を演じるのが一部界隈で大人気の俳優・マ・ドンソク。
彼が演じているので、反則レベルに強い(笑)
そして最後はヨンソク。
こいつは、こういう映画によくいる敵タイプの人間。
何もしてないクセに偉そうで、権威主義的で、自分が生き残るためなら何の躊躇もなく他人を犠牲にする男。
映画の最初、ソグとヨンソクは似たような人物に感じられます。
どちらも自己中心で、他人を蹴落としていきていくタイプ。
しかし、ソグはサンファと出会い、共闘することで変わっていく。
「自分のことだけ考えて生きろ」といってきた男が、他人のために行動するようになっていく。
対してヨンソクはずっと変わりません。
ずっと他人を利用して、自分のことだけ考えて生きのびる。
そんな彼らは結局、全員ゾンビになってしまいます。
サンファは家族と仲間を守るためにゾンビになる。
彼はずっとぶれません。
妻、そしてまだ見ぬ子供(=未来)のために、自分が犠牲になることを選びます。
ヨンソクもある意味ぶれない。
裏をかこうとするあまり失敗し、ゾンビになる。
そしてゾンビになった時、彼はいつまでも「息子」であり、母に会うという目的の元、行動していたことがわかります。
そしてソグ。
彼の死にざまが本当に泣けるんです。
「自分のことだけ考えて生きろ」と言っていた男が最後に「父親」になり、娘を守るためゾンビになる瞬間に列車から飛び降りて、自殺する。
その直前、娘が生まれた瞬間の喜びを思い出し、笑顔で死ぬ。
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この最後の笑顔が本当に涙腺に来る。
娘のために死ねるなら本望だ、とでも言うような、あの笑顔。
そこに重なる、娘の父を求める絶叫。
感動すると同時に、この映画は「父親になれなかった(子供のままだった)男」=ヨンソク、「父親であった男」=サンファという両端の存在、そして彼らに触発され、最後に「父親になった男」=ソグ、という構造があり、彼が(本当の意味で)父親になっていく過程を描いた映画だとわかります。
改めて、良い映画だなあ(笑)