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裏テーマはゼンカイジャーのお客さんを逃がさないこと? 暴太郎戦隊ドンブラザーズ 総評

こんにちは!

 

今回は暴太郎戦隊ドンブラザーズの総評です。

 

 

非常に楽しい一年だったドンブラザーズ。

それと同時にスーパー戦隊に改革をもたらした作品でもありました。

そこで今回は、ドンブラザーズはスーパー戦隊の何を変えたか?を五つのテーマで考えていきたいと思います。

 

・ロボ戦

まず大きいのはこれじゃないでしょうか。

ゼンカイジャーで着手し、ドンブラザーズで完成を見た新しいロボ戦の描き方。

 

 

それは

コックピット描写の排除

ロボ=ヒーローの強化形態という定義付け

ロボスーツの撤廃

必ずしもロボ戦がなくても良い

 

大きくこの四つの革新を成し遂げたのがドンブラザーズの功績だと思います。

 

まずコックピット描写。

これはもう視聴者目線から言っても完全に形骸化していた要素でした。

ゴーバスターズみたいに精巧なコックピットを美術で用意するならまだしも、大雑把にヒーローが謎の空間でポーズ取って必殺技ってどういうメカニズム?って話ですからね。

 

 

次にロボ=ヒーローの強化形態という再解釈。

これにより生身戦とロボ戦がシームレスにつながり、ロボ召喚でドラマを寸断することがない。

さらに仮面ライダーが一年を通して4,5回強化があるのに対し、戦隊は一回か多くて2回しかないという欠点?を補うことができる。

そして子供達にロボを身近に感じてもらいやすいというメリットもありますね。

実際ゼンカイジャーにおけるスーパーゼンカイザー/ツーカイザーはそのままロボになりますし、ドンブラザーズではロボタロウ形態が合体しドンオニタイジンになりますからね。

これは盛り上がりますし、親しみやすい。

 

 

さらにミニロボともいうべきアルターが登場したことで必ずしも毎回巨大ロボ戦がなくても良い、という方針を作ったのもドラマを描く上ではナイス判断だったのではないでしょうか。

 

最後のスーツをなくす、というのはゼンリョクゼンカイオー、ドンオニタイジンでも試みられていたことで、ドンオニタイジン以降本格化した部分で、これは時代の変化に合わせて、と言ったところでしょうか。

良し悪しの判断は現状では難しいですね。

 

 

・ドラマ性の強化

ドンブラザーズがなぜ面白かったか?というとなによりもお話が面白かった、脚本が面白かった、ということに尽きると思います。

それは前年のゼンカイジャーから受け継がれていた一回一回に全力を込める!という姿勢のなせる技で。

 

さらにゼンカイジャーから進化しているな、と思うのはゼンカイジャーは一回一回がバラエティ的に面白かったのはもちろん、縦軸もあった。

しかしその縦軸は、あくまでスーパー戦隊のセオリーの範囲を超えていなかったなあ、と思うのです。

だから毎週ワクワクしつつも、でも結局はこうなるんでしょ?というのが予測がついた。

 

 

しかしドンブラザーズは人間の愛憎を描いているため、予測がつかない。

だからこそ毎週毎週、ドンブラザーズに引き込まれていく。

最後の最後まで、どうなるのかほんとわかんなかったもんなあ、ドンブラザーズは。

 

・多種多様なキャラクター

ドンブラザーズのメンバーのキャラクター設定もすごく幅が広かったなあ、と思いますね。

盗作を疑われた漫画家、お金を触らない風流人などなど、今までのスーパー戦隊にはあんまりいなかった浮世離れしたキャラクターばかり。

 

 

さらに逃亡犯がメンバーで終盤になるまで誰が変身しているのか他のメンバーはわからないとか、一番まともそうに見えた年上メンバーが激ヤバメンタリティーの持ち主とか、とにかくキャラクターがみんな魅力的で。

と、同時にこれまたゼンカイジャーがあくまで戦隊の枠の中でのキャラクター設定だったのに対し、ドンブラザーズはその枠をぶち壊した。

だからこそ、面白かった!!!

 

また今年の重要な要素である 前作のお客さんを逃がさない ための方法として、前年の主人公を一年間レギュラー出演させるという型破りな手段にも出ました。

 

 

 

これもゼンカイジャーから続く、従来の若い美男美女5人を揃える、というキャスティング方法から脱却するための実験だったといえるでしょう。

そしてそれは大いに成功しました。

 

・レジェンド要素

ドンブラザーズで唯一惜しいなあ、と思ったのはレジェンド要素で。

別にこれ、無くても良かったですよね、、、笑

他の戦隊とどんな繋がりなのかもわからなかったし。

一言でも説明があればなあ、、、。

 

 

・玩具展開

これも基本路線はゼンカイジャーから受け継いでいましたね。

ギアを集めつつ、ロボを売りつつ、アクションフィギュアも売っていくという。

そこに今年は新要素としてアルターというのが登場し、上に述べたレジェンド要素を打ち出していった。

なにより斬新だったのは、前年からのアイテムを引き続いて使える、ということ。

これは先ほども述べた 前作からのお客さんを逃さない という方針の最たるものと考えるべきでしょうね。

 

 

・まとめ

ということで、五つの要素を軸にドンブラザーズで行われたスーパー戦隊改革を述べていきました。

個人的に思うのは、白倉Pが担当したゼンカイジャー、ドンブラザーズはスーパー戦隊をスクラップ&ビルドするための二年間だったのだろうな、ということ。

 

 

ゼンカイジャーで従来のスーパー戦隊の枠の中で作品を作り出すことでこれからの時代にスーパー戦隊に必要な遺すべき要素と、時代遅れになった捨てるべき要素を洗い出す。

 

それを踏まえ、ドンブラザーズはこれからの時代のスーパー戦隊を作るために新しい要素をガンガンぶち込んで作品を作り上げた。

この、いわゆるPDCAサイクルを回していくためには二年間、二作続けてやる必要があったんだろうなあ、と思うのです。

 

同時にそれはドンブラザーズの裏テーマであるはずの 前作からのお客さんを逃さない方法を模索する実験でもあったのだろうな、と思います。

もちろん作品が話題になり、新しいお客さんを獲得することも同時に進めながら。

 

そういった実験が成功してるんだからすごいですよねえ。

 

 

ゼンカイジャーでスーパー戦隊の枠にヒビを入れ、ドンブラザーズでその枠をぶち壊した。

ある種、なんでもあり、まっさらになったところをキングオージャーにはしっかりと歩いてもらい、成功してほしいですねえ。

 

ゼンカイジャー、ドンブラザーズで多少延命したとはいえ、本来管理職であるはずの白倉Pがシリーズを立て直すために登板するってことは、相当危険なはずですから、スーパー戦隊シリーズ

目指せ50作品記念!

 

 

おしまい!