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「商売人」としてはすごい! でも「絵本作家」としては・・・? 革命のファンファーレ 西野亮廣著 感想

こんにちは!

 

今回は、西野亮廣著「革命のファンファーレ」の感想です。

 

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

ちょいちょい入る下ネタがうざかったことを除けば、非常に興味深い本でした。

 

「100%同意!」という訳ではありませんが、現実に成功している以上、「なるほどなあ」と思いましたね。

 

この本ではクラウドファンティングと広告について主に書かれているんですが、とてもタメになりましたね。

 

 ただ、なんというかそこはかとなく違和感があるというか。

 「それはなんでなんだろう?」と考えたとき、最初に思い浮かべたのは「BAKUMAN」の七峰というキャラ。

 

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

 

 

彼は自分だけでなく、インターネットを駆使し、他人とアイデアや意見をシェアしながら漫画を作っていた人物。

結局漫画の中で彼は自滅し、その集合知的な方法は否定されます。

 

この本で語られる彼の絵本の作り方もそれにすごく似ています。

 

えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル

 

 

ただ、「やっぱり一人で作んなきゃだめでしょ!」とかって否定したいわけではなく。

個人的にはどうやって作られたものであっても、別に構わないと思います。

 

重要なのは、それが「面白い」のかどうか。

その一点に尽きると思うんです。

 

で、この本の中で西野さんは

「プペルではこうやって広告打ちましたわあ、成功しましたわあ」

「無料公開で話題にしたら、戦略通り売れましてん」

クラウドファンティングでタダで話題作りしたったりました」

みたいな、成功談が語られます。

 

その一つ一つは、「へえ」「たしかになあ」とすごく納得できるし、面白いと思う。

凡百のタレントにはない強い戦略性があり、すべてがその戦略通りになっているのは単純にすごいと思います。

 

でもそこに感じるのは「商売人」としてのすごさであって、「絵本作家」としてのすごさではない。

 

自分ははっきり言ってこの本を読んでも、彼の書いた絵本を読みたいとは思いませんでした

面白そうじゃないから。

 

読み進めれば進めるほど、彼の絵本はただの商売道具にしか感じなくなってくるというか。

作品に対する愛着みたいなものが感じられない。

 

もちろん彼がそうやって戦略を成功させればさせるほど、彼の絵本は広まっていくわけで、そこに彼の絵本作家としての「俺のこの素晴らしい絵本を皆様に!」という意思みたいなものがあるのかもしれない。

 

でも少なくともこの本を読んだ限りではその思いは伝わってこなかった

 

その一番の根本の部分で「ん?」となってしまいましたね。

 

単純にビジネス書としては面白いです。

でもそれ以上の価値を感じ取ることはできなかったかなあ。