こんにちは!
今回は映画「キャプテン・マーベル」の感想です。
監督 アンナ・ボーデン/ライアン・フレック
脚本 メグ・レフォーヴ/ ニコール・パールマン/ ジェネヴァ・ロバートソン=ドゥウォレットなど
出演者 ブリー・ラーソン /サミュエル・L・ジャクソン/ ベン・メンデルソーン/ ジャイモン・フンスー リー・ペイスなど
すごく不思議な映画でした。
面白い・つまらないという尺度では語れない、というか(笑)
この不思議さをうまく言語化できないのがもどかしい(笑)
ちょっとこの感覚を探ってみると、女性の社会進出、マイノリティ、アイデンティティ、テロなど、深いテーマを扱ってるはずなのに、最終的にはスーパーパワーで全部解決!(笑)
終盤のパワーでのごり押しっぷりはもはや笑うしかない。
アクションは全編カッコよくて、すごい良かったんですけどね。
フューリーの車内でのアクションとか。
ですけど結局力業かい!っていう(笑)
この映画では、キャプテン・マーベルの誕生のお話がメインとなります。
で、ネタバレをすると、彼女は最初一種洗脳された状態で登場し、しかもさらに自分の過去についてもうひと展開ある、というけっこうなアイデンティティークライシスに陥るわけですが、全然悩まない!(笑)
悩んでる暇があるなら戦ったるわい!ってなもん。
なんという脳筋(笑)
キャプテン・マーベルに限らず、若き日のフューリー、マリア、タロス、今作の敵に至るまで、全員全く立ち止まらない。
しかし、見てる間は映画に引き込まれているので、そういうことは特に気になりません。
そこもまた不思議なんだよなあ(笑)
また、この映画は20年近く前が舞台なんですが、あんまりその昔さは感じさせません。
なぜか?といえば、この映画、舞台になるのが異次元か辺境ばっかり(笑)
なので、時の移り変わりを感じようがない(笑)
だから、ある意味田舎映画なんですよね(笑)
この場所のチョイスも不思議。
脚本や演出は、まあ悪くはなかったかな?
可もなく不可もなく、って感じですね。
キャラクターのアクの強さの前では、そんなことどうでもよくなってしまいます(笑)
スタン・リーへのメッセージと、彼の扱いはナイスでしたね。
冒頭から泣かせてくれます。
アベンジャーズ関連で言うと、
・アベンジャーズ誕生の真実
・次回作「エンドケーム」への希望
・隠されたキューブ(まさかのバケモンネコの中!笑)
などなどが終盤にバババッと提示されました。
とにもかくにも、「エンドゲーム」が楽しみです!
キャプテン・マーベルはどんな役割を果たすんでしょうかね?
さて、ここからはちょっとこの映画について深読みをしてみます。
自分はタイトルにもしましたが、「これこそアメリカ映画!」だと思いました。
良くも悪くも。
簡単に言うと、この映画はアメリカ的マチズモの結晶だった気がするんです。
映画の中で、最初敵だと思って殺していた民族こそが実は正当性があり、逆に自分が正義だと思っていた思想や民族が実は悪だった、という価値観の転換が起こります。
そしてこの価値観の転換の先にあるものは、とりあえず自分が悪だと認識したものを、圧倒的なパワーでぶちのめす、というもの。
そこに、「でも本当にそうなのか?」「実は善も悪も、そんなものあまりにもモロイものにすぎないのではないか?」というような内省は、特にありません。
めんどくさいことはいいから、とりあえず目の前の敵をぶっ倒す。
正当防衛じゃい、文句あっか!?てな感じ。
なんか、これぞアメリカ!という気持ちになってしまうんですよね。
別に、そのことの正しさがどうこうという話ではなく、あくまで感想として。
ただ、そういう暑苦しさみたいなものが、主人公や主要キャラの女性や黒人、エイリアンなどを配することでうまく隠されているなあ、と。
そこがまたにくいんですよねえ(笑)