こんにちは!
今回は「言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」の感想です。
2018年、M-1審査員として名を轟かせた芸人が漫才を徹底解剖。
M-1チャンピオンになれなかった塙だからこそ分かる歴代王者のストロングポイント、M-1必勝法とは?
「ツッコミ全盛時代」「関東芸人の強み」「フリートーク」などのトピックから「ヤホー漫才」誕生秘話まで、
”絶対漫才感”の持ち主が存分に吠える。
どうしてウケるのかだけを40年以上考え続けてきた、「笑い脳」に侵された男がたどりついた現代漫才論とは?
漫才師の聖典とも呼ばれるDVD『紳竜の研究』に続く令和時代の漫才バイブル、ここに誕生!
◆もくじ◆
プロローグ「僕が霜降り明星を選んだワケ」
第一章 「王国」 大阪は漫才界のブラジル
第二章 「技術」 M-1は100メートル走
第三章 「自分」 ヤホー漫才誕生秘話
第四章 「逆襲」 不可能を可能にした非関西系のアンタ、サンド、パンク
第五章 「挑戦」 吉本流への道場破り
第六章 「革命」 南キャンは子守唄、オードリーはジャズ
エピローグ「10年ぶりの聖地。俺ならいいよな」
https://www.amazon.co.jp/dp/4087210871?tag=hatena-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 2020/4/5閲覧
面白い!!
めちゃくちゃ読みやすいですし、何より内容がめちゃくちゃ面白い!!
2時間もかからずに一気読みしてしまいました!
一回読み始めたら止まらないですよ、これは。
現役漫才師がM1について一冊まるごと語り尽くす。
お笑い好きなら絶対楽しめる一冊です。
さて、まず結論から言うとタイトルにある「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」の答えはわりと簡単で「M1では吉本かつ関西芸人が有利だから」です。
それについてこの本の中でこう書かれています。
M1は吉本流の大会です。
したがって他流派にも門戸は開きますが、ルールはうちのもので行きます、というのは当然だと思います。
(中略)
関東芸人がM1に出場するというのは、いわば漫才の総本山に殴り込みをかけているようなものなのです。
道場破りです。
本来は「ルールはまかせる」というのが筋だし、マナーです。
吉本新喜劇60周年公式スペシャルブック~誰でもわかる、あほほど笑える100ページ~ (光文社ブックス)
- 作者:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
- 発売日: 2019/03/26
- メディア: ムック
別にこれは、関東芸人かつ非吉本芸人の塙さんがひがんだり批判していっているのではなく、ただそういう事実というか、傾向がある、と指摘しているだけです。
そもそもM1は吉本が出資しているわけですから、吉本側が審査員などもある程度選ぶわけです。
そうなればいわゆる「吉本流」の笑いで育ったり、それに共感する人を選びがちでしょうから、そりゃ塙さんのいうようなことになるでしょうね。
だって吉本の人は、そういう「吉本流」の笑いがすきで吉本に入社しているわけですから。
だから分かっていただきたいのは、(繰り返しになりますが)決してこれは批判的なニュアンスではなく、ただ事実を述べているだけだ、ということです。
そもそも塙さんも、M1には相当思い入れが強いんだろうなあ、とこの本を読むと伝わってきます。
ちなみに他の賞レースについてはなかなか辛らつで、R1については「カオス。何を評価したらいいのかもはやわからない。ゆえに時々素人芸が紛れ込む」、THE Wについては「不思議なコンテスト。面白さは性別で分けられるものではない」と一刀両断しています。
やっぱり芸人から見ても「THE W」はダメなんですね。
素人でもコンセントを聞いた時点で「破綻している」とわかりますけどね(笑)