こんにちは!
今回は藤井誠二著「沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち」の感想です。
壮絶な本でした・・・。
著者の藤井さんは一切のストッパーをかけることなく沖縄の「闇」を暴いていきます。
「ちょんの間」と呼ばれる住居で日常的に行われる売春。
札幌や大阪から借金返済のために、売春街に沈められる女性たち。
売春宿からみかじめ料を徴収するやくざ。
貧困のため、処女の娘の値段を交渉し、人身売買をする父親。
米軍による非人道的なレイプとその防波堤としての売春街。
こんなダークな沖縄の現状が、約350ページの大ボリュームで語られます。
気軽に読むような本ではありませんが、観光地として愛される沖縄にこんな側面があることを知っておくのは悪くないと思います。
この本のメインテーマとなる「売春」という行為については、性別や年齢、性経験、家庭環境などで大きく見解が異なると思います。
なので、あまり多くは語りませんし、語れません。
とにかく、読んでみて下さい、ということですね。
ただ最後にいくつか文章を引用して終わりにしたいと思います。
コメントはしません。
もし興味をお持ちになったなら、この本を手に取ってみて下さい。
沖縄に対する一般的なイメージには、「ゆいまーる(助け合い)」 という言葉に象徴されるような、血縁を重視する強固の共同性を持った土地柄、という認識があるだろう。
しかし、少なくとも私があってきた売春の世界で生きていた女性達は、あらかじめそう言った共同体的な紐帯から除外されて生きることを余儀なくされていた。
売春を続ける女性達を ひとくくりにして同情を寄せる気はない。
同時に「世界で最も古い仕事だから」といってこの稼業を丸ごと必要悪のように肯定するけいこさん(取材している売春をしている女性)の言い方にも馴染めなかった。
当事者の抱える事情やこの仕事への向き合い方は実に様々だ。
世の中には裏と表があります。
裏でしか生きてない女の子もいるんです。
風俗でしか生きていけない子もいる。
街を潰したり、売春はしてはいけないことだと大声で言うのは簡単ですが、そういう女の子をどうするのか。
役所に掛け合ってもちゃんと対応などしてくれない。
私たちは監視をつけていないから、いつでも逃げられるし、警察にも駆け込めます。
でもほとんどの女性は逃げたりしませんよ。
信頼関係があるし、そういう家業でしか生きていけない子もいるんです。