こんにちは!
今回は映画「移動都市/モータル・エンジン」の感想です。
監督 クリスチャン・リヴァース
脚本 フラン・ウォルシュ /フィリッパ・ボウエン/ ピーター・ジャクソン
原作 フィリップ・リーヴ 『移動都市』
出演者 ヒューゴ・ウィーヴィング/ ヘラ・ヒルマー/ ロバート・シーハン /ジヘ など
うーん、普通かな(笑)
この映画はお話自体はすごく凡。
権力にとりつかれた男が、力で世界を支配しようとする
その男に母親を殺された主人公は、回りの人を巻き込みながら、世界を救う。
どうですか?
こう書くとすごくありがちですよね。
ありがちといえば、キャラも主人公はじめ、ほとんどみんな既視感のあるひとばかり。
だからそういう視点で言えば、
特に優れた映画ではなく、むしろ2019年の映画としてはどうだろうか?
という感じです。
もちろん全部がダメってことではなく、ジヘ演じるアナ・ファンと、アンドロイド(?)のシュライクのキャラはかなり良かったです。
ファンは非常にトリッキーでパンクなキャラですが、主人公たちを導く良いキャラでした。
またシュライクの方は、すごくサイザーパンクな見た目と思想を持ったキャラですが、背景が明らかになっていくにつれ、最初の極悪という印象は消え去り、最後には哀愁すら感じさせる良いキャラだったと思います。
この映画の中で、一番エモーショナルな部分を揺らがされたのは、彼の真実が明らかになるシーンですね。
いやあ切なかった・・・。
さて、この映画の一番のセールスポイントはズバリ、圧倒的なビジュアルにこそあります。
スチームパンク、サイザーパンク感に満ちた都市たち。
このごてごて感、わちゃわちゃ感。
スチームパンク好きとしてはもう大興奮!(笑)
鉄屑や錆びに満ちた都市が変形し、移動し、他の都市を攻撃し鹵獲する。
逃げ惑う都市や、空中に浮かぶ都市、地下に潜む都市もあります。
字面で読むと「何言ってんの?」となってしまう(笑)、このクレイジーな発想をビジュアル化したのは本当にすごい!
レトロフューチャー感溢れる周辺アイテムもよかったですね。
飛行船とか銃とか。
スチームパンク・ストーリー レトロフューチャーを創造するアーティスト25人
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ただタイトルのわりに、移動都市のシーンは少な目で、人間ドラマが大部分だったのはちょっぴり残念かなあ、と。
もっと、都市と都市がぶつかりあうところが見たかった!
まあ、言いたいことはこれくらいかなあ・・・(笑)
なんかこの映画、そこまで心が動かされなかったかもしれないです。
ツマらなくはないけど・・・って感じ。
ビジュアルは本当に素晴らしいし、都市が移動して互いに敵対関係にあるというのも面白いアイデア。
でもせっかくそういう面白いし示唆にとんだ設定なのに、そこで終わってしまっているのが惜しい。
そこに現実世界の今の世界情勢とか盛り込めたと思うんですけどね。
なんというか、深みがない。
「ああ楽しい映画だった、以上!」って感じ。
もっと世界観を掘り下げてもよかったと思うんですけどね。
静止都市とか反移動主義とか、浪民戦争(?)とか、面白そうな単語が出ては来たけど、特にそれ以上ではなく。
ポンポン話が進むのは良いけど、いろんなことを処理しきれてない。
要するに、詰め込み過ぎてるんですよ
もっとじっくり世界観に浸りたかったかなあ。
まあ佳作といった印象。
あまり印象には残らない映画かもしれませんね(笑)