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筒井康隆「定年食」と藤子・F・不二雄「定年退食」は、二人のSF作家の類似点と共通点を明確に表している

こんにちは!

 

皆さんは、筒井康隆藤子・F・不二雄、この二人の作家が非常によく似た設定のお話を書いたこと知っていますか?

 

rimokongetao.hatenablog.com

 

まずそれぞれを簡単に紹介しますね。

筒井康隆「定年食」

人口増加による食料不足のため、定年退職をした人間は、食料として一族郎党に食べられてしまうというお話。

後半では延々、足だの腹だのの解体・食事シーンが続き、非常に気色が悪いお話。

 

こちらで読めます↓

メタモルフォセス群島(新潮文庫)

メタモルフォセス群島(新潮文庫)

 

 

藤子・F・不二雄「定年退食」

こちらも、人口増加による食料不足のため、定年となった人間は食料の配給停止など、サービスを受けられなくなる世界。

 

今日で定年となる主人公が、街の景色などを見て、自分の人生の終わりに思いを馳せる哀愁漂うラストが印象的です。

 

 

さて、この二つの作品は、人口増加による食料不足という部分が共通していますよね。

 

これはSF作家である二人が、「人口って増えすぎてるんじゃない?このまま行くと、地球ヤバいんじゃない?」という人類への警鐘というメッセージを込めている点では共通していますよね。

 

しかし。

 

藤子・F・不二雄先生が叙情的に自分の終わりを受け止める主人公とラストであるのに対し、筒井康隆氏の作品は、近親者によって主人公が殺され、喰われるという(いい意味で)悪趣味なもの。

 

驚愕の曠野―自選ホラー傑作集〈2〉 (新潮文庫)

驚愕の曠野―自選ホラー傑作集〈2〉 (新潮文庫)

 

 題材が似たようなものであるからこそ、作風の違いと言うものが明確に出ますよね。

 

藤子先生の終わらせ方というのは、こう冷たさというか、明確に書かれないことによるゾクッとした恐怖を感じさせます。

 

 

一方、筒井氏の作品は、あけすけなくらいにすべてを書きだすことで、わかりやすい嫌悪感があります。

 

うーん、面白いなあ。

 

自分も書いてみようかな、同じ題材で(笑)