こんにちは!
現在公開中の「ジョーカー」と「キングオブコメディ」が似ていると結構話題ですよね。
キング・オブ・コメディ 製作30周年記念版 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2018/03/16
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
確かにどちらもコメディアンになりたかった、妄想癖の強い男のお話ですしね。
それに「ジョーカー」に出演している「キングオブコメディ」の主演・ロバート・デ・ニーロの役がねえ(笑)
どう考えても意識しているでしょって感じだし、というか隠そうともしていないし(笑)
で、確かにコンセプトとかあらすじとか主人公の境遇とか似ている部分は確かに多いんだけど、違うところもけっこうあるんですよね。
例えばデニーロ演じるパプキンは本当に「自分は喜劇王(キングオブコメディ)になれる!自分は面白い!」と信じ込んじゃってる人なんですよね。
だからこそすごくギラギラしているし、のし上がってやる!という意識をすごく感じる。
で、この映画の演出はどちらかというと、その彼を俯瞰で見ているというか、けっこう彼のヤバさ・うすら寒さが感じられる演出。
対して「ジョーカー」のアーサーに関しては、「そもそも本当にコメディアンになりたいのか?」というのがよくわからない。
もしかしたら辛すぎる現実から目を背けるため、そういった空想を仮構しているだけなのかもしれない。
どこか冷めているというか、自分が面白くないことを心の奥底ではわかっているのかもしれない。
パプキンとは違い、アーサーにはまったく生気がない。
そして演出は、そんな彼と一体化しようとするというか、彼に寄り添っていく。
そして彼と一緒に闇に落ちていく。
また最後、パプキンは結局司会者を殺しません(監禁はしたけど)が、アーサーは生放送中にぶっ殺します。
パプキンは最後の一線を越えなかった(超えられなかった)、でもアーサーは超えた、超えてしまった。
だからこそ彼はジョーカーになった。
パプキンは結局突きつけられなかった。
だから世間に翻弄されたまま終わる(と自分は解釈しています)。
でもアーサーは突き抜けた。
だから世間を、社会を変えられた(悪い方?に)。
結論として、「ジョーカー」と「キングオブコメディ」は似ています。
しかし、それは構造的に似ているのであって、表層的にはそこまで似ていないし、ストーリーはむしろ対象的といえるかもしれない。
むしろ「タクシードライバー」の方が精神性の点では似ているかもしれませんね。