こんにちは!
今回は「スター・ウォーズ 禁断の真実」の感想です。
本書は2019年12月に全世界公開され、堂々の完結を迎える(筈)の『スター・ウォーズ』を決
まりきった「ファンの固定観念」から解放し、それぞれの作品を徹底検証したものである。
「ジョージ・ルーカスの生まれ故郷はカリフォルニアの小さな町モデスト……」であるとか、
「1977年5月25日、1本のSF映画が公開され、その後の世界を大きく変えた……」のような現実の「映画史」ではなく、
『スター・ウォーズ』が語った時代の流れ……プリクエル三部作、アンソロジー二本、トリロジー三部作、
そしてシークェル劇場公開済みの2本という流れで、それぞれの作品が描いた世界とジョージ・ルーカスの選択を検討していく。
そこから「新しいスター・ウォーズ」の意義が浮かび上がる。
同時代を『スター・ウォーズ』と共に生きたファンにとって、この「事物やキャラクターや背景について、
いちいち説明しない」という構成も、実は『スター・ウォーズ』スタイルを踏襲したものだ。
そして『スター・ウォーズ』が映画という形を取った文字通りのカルト現象であることを解析する。
『スター・ウォーズ エピソードIX/スカイウォーカーの夜明け』で完結される(筈)の銀河叙事詩完結の前に、
そして鑑賞後に間違いなく陥る”スター・ウォーズ・ロス”に間違いなく効く劇物特効薬!
まずあとがきに書いてありましたが、この挑戦的なタイトルは編集者がつけたもので、著者本人としてはあまり気に行ってないそうです(笑)
さて、内容はスター・ウォーズEP1~8、ローグワン・ハンソロの簡単なストーリー解説と、スター・ウォーズが世界の文化や映画カルチャーに与えた影響などを書いたものです。
けっこう著者・高橋さんの主観が入っているので、スター・ウォーズ好きの人が読むと多少好き嫌いがあるかもしれません。
例えば映画「ハンソロ/スター・ウォーズストーリー」についてはあまり評価していないようで、こんな風に書いています↓
これは異端(スター・ウォーズでないもの) ではありえないと声高に主張し続けているだけ(の映画)
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自分も正直あまりハンソロは面白いとは思えなかったんですが、その違和感の根源をうまく言語化してくれたと思います。
つまり「ハンソロ」がつまらなかったのは、「スター・ウォーズファンにビビリすぎて、委縮した作品作りになってしまったから」でしょうね。
あそらく直前の「最後のジェダイ」の挑戦的な描写が古参ファンからたたかれまくったからでしょうが、そのせいで「ハンソロ」はちっちゃくまとまっちゃった感じが非常に残念でした。
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世界観を踏襲するのは良いですが、それはあくまで作品作りの要素の一つでしかないわけで、そこが目的にすり替わってしまったら、それはそもそも映画として面白いわけがない。
高橋ヨシキさんはこの本を通して、そんな警鐘を鳴らしている気がしました。