こんにちは!
今回は吉川トリコ作「女優の娘」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
泣かないで。こんなことぐらいであなたの価値は下がらない。
アイドルグループ「YO!YO!ファーム」の一期生・斉藤いとに届いた、突然の母親の訃報。現役アイドルの母親が一世を風靡したポルノ女優・赤井霧子だった、というニュースは瞬く間に広がり、いとは一躍時の人になる。そんな中、著名な映画監督から、霧子の半生を追うドキュメンタリー映画の案内人に指名されてーー。
「マリー・アントワネットの日記」シリーズで全女性の共感をさらった著者が、世界の不条理とたたかうすべての人に贈る、真摯な希望の物語。
面白い!
吉川トリコさんの作品はやはり安定して面白いですね!
今回のテーマは「アイドル論」でしょうかね。
例えば「アイドルは恋愛してはいけないのか?」とかそういう「アイドルと性」みたいなところに結構踏み込んでいますね。
おそらく吉川さんは「アイドルに過剰な幻想を抱いているタイプのアイドル好き」が嫌いなんでしょうねえ(笑)
この作品の主人公であるアイドルも、そういう人たちを内心批判していますが、実は最後の最後で、自分がそういう「アイドル幻想」に一番囚われていることがあきらかになっていきます。
で、少し敷衍するとその「アイドル幻想」というのは、この社会に蔓延する「女性に対する幻想」とニアリーイコールなんじゃないかな、という気がします。
そういう意味で、この作品はフェミニズム的なものともいえるかもしれません。
話があっちこっちにいってしまいましたが、確実に言えるのは読んで損はない!ということです!