こんにちは!
今回は「我が家・杉山の悪口を1000個いただくまで帰れない酒場」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
「我が家・杉山の悪口を1000個いただくまで帰れない酒場」としてスタートしたこのチャンネルは、『ロンドンハーツ 深夜の家庭訪問』(テレビ朝日系)で取り上げられた、杉山裕之の酒癖の悪さ・素行の悪さが原因で坪倉がトリオ解散まで考えていたことが判明したことを契機に創設されました。 バラエティーでありながらも「非常にドキュメント色の強い」帰れない酒場シリーズは、『めちゃ×2イケてるッ』の総監督など、数々の人気番組を手がけてきたフジテレビの片岡飛鳥氏が演出を担当し、全14話で完結。
我が家コメント 坪倉 「酒場企画を通して杉山の酒癖、素行の悪さはもちろんなんですけど、自分も谷田部も直さなければならないところが多々あると感じました。三人で話し合って、そこを反省、修正し、応援してくれる人たちに笑ってもらえるよう努めていきたいと思ってます。」
谷田部 「酒場を終えて、一番の収穫は、我が家として伸び悩んでいる原因は杉山の酒癖の悪さだけではなく、我が家全体に問題があることを再確認できたことだと思っています、今までは我が家というトリオは立ち止まってましたがあの企画後、我が家は一歩ずつ、いや1ミリくらいかもしれませんが、前に進み出しました。これも皆様のお陰です、ありがとうございます。YouTubeでしか表現できないことも多いと思うので、この場を借りて生々しい部分など、いろいろな我が家を表現していこうと思います。」
杉山 「酒場企画を終えて、自分にとっても我が家にとっても本当に変わるなら今しかないと思いました。これがラストチャンスだと思って、とにかく前向きに進んでいきます!今後はネタや動画など、我が家の3人が面白いと思ったものを配信出来たらなと思っています。ラストチャンス、掴めるように頑張ります!」
https://www.youtube.com/channel/UC4bVLuPxbvIz9fuzru97KHw/about 2020/2/12閲覧
これは我が家のYOUTUBE公式チャンネルで配信されたものですね。
その最終回3話にハライチの岩井が登場し、今までのぬるい雰囲気をガラリと変え、ガチで、忖度なしで我が家に本音をぶつけていきます。
コメント欄でもあるように、この岩井が出ている回だけ100万再生近辺(それいがいは10万再生程度)。
コメントも岩井を称賛するコメントばかりでした。
まずは見てみて下さい↓
ほかの回がどこか「予定調和」感が強い一方で、この岩井がでている最終回は、我が家も岩井も本気、という印象を受けます。
岩井は部外者が立ちいっていいギリギリのラインまで、我が家というコンビの持つダメな部分や闇に踏み込もうとします。
それはつまり、我が家に厳しい言葉を投げかける、ということです。
一見すると彼がひどい人間に見えるかもしれませんが、それは違う。
我が家のファンからは確実に嫌われるポジションを引き受けることは、彼にとってデメリットも少なくない。
それでも本気で言葉をぶつけるのは、それだけ「本気で我が家をどうにかしたい」と思っているからでしょう。
こういう企画でありながら、その場では人を傷つけないように優しい顔をしてみせるのは、結局ただ無関心だ、ということです。
本当はどうでもいいと思っている、ということです。
そう考えたからこそ、岩井なりに本気で言葉をぶつけたのでしょう。
彼と我が家メンバーによる、半分喧嘩(というか我が家が痛いところを突かれて一方的に切れてるだけ)のような議論は、場をめちゃくちゃピリつかせます。
そしてそのピリついた空気をそのままお届けする、その空気感はまさに「めちゃイケ」っぽい感じ。
これが片岡演出なのでしょう。
ここまでは良かったんです。
でも結局、岩井は最終話であきらめちゃうんですよね。
この動画の前半部分、ロッチの中岡がバラエティノリで笑いを取りに行き、それに岩井以外の演者・スタッフが同調した瞬間、彼はあきらめそのバラエティノリに乗っかり、番組をさっさと終わらせる。
「もはや何を言っても無駄だ」と悟ったのです。
なぜ無駄だと悟ったのかといえば、それは彼の「本気」をちゃんと受け止める人間はその場にいないとわかったからです。
岩井はガチで「今日、ここで何かを変えてやる!」という意識で挑んでいるのに、「なあなあ」ノリで終わらせようとする演者・そしてスタッフ。
上にも書きましたが、今回の演出を担当するのは片岡飛鳥。
めちゃイケの総監督を務めた優れた演出家です。
ですが、今回に関しては、特に岩井の使い方に関しては、どう考えても演出ミスとしか考えられない。
もちろん、演出家とはいえ、事務所の要請や演者のスケジュールなど、色んなしがらみがある上でやっているわけですから、彼ひとりの思惑で番組が出来ているわけではないし、彼ひとりに責任を押し付けるのもまた、違うでしょう。
でも、それでもあの〆の言葉。
あれはどう考えても空気を読み違えている。
最後中岡のバラエティノリに同調することを演者・スタッフに許したように(演出したように)、結局彼はハートウォーミグで笑える、めちゃイケでやっていたようなものにしたかったんでしょう。
「最初はダメだった我が家だけど、後輩たちの愛の悪口を受けて、改心してこれから頑張ります!(涙) おう、俺たちも応援するゼ!」 みたいなノリをやろうとしたんでしょう。
別にそれは悪くない。
めちゃイケの「山本復帰回」もそういうノリでお茶の間に感動を届けたわけですから。
ただ、演出家として圧倒的に失敗だったのは、あの時、場の空気を掌握していたのは完全に岩井であり、視聴者は彼の「徹底的に落とし切り、落とし切った先から何か活路を見つける」(カッコよく言えば、破壊による再生)というスタンスで押し切ってほしい、と望んでいる、ということを読み切れなかった、という点。
そもそも、視聴者は我が家に愛着なんてないんです。
だからこそイケるところまで行ってほしかった。
なのに、あのぬるい・なんちゃってハートウォーミング。
これはいただけない。
YOUTUBE公式チャンネルだから我が家のファンが見るんだろう、という方向性で演出していたのかもしれませんが、YOUTUBEってそうとも限らないのがねえ。
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テレビ、特にめちゃイケのように固定的なファンがいて、長年視聴習慣が身につき、見る側もある程度番組に愛着があるものを演出する場合と、こういう何の事情もしらないいちげんさんがみる可能性のある動画。
彼はネットに疎いのかもしれませんが、そういった諸々のすれ違いが、一番本気だった男、ハライチ・岩井の無駄使いという悲劇を生んでしまいました。
動画のコメントでも書いてありますが、すっかりその場にいる演者・スタッフを見限った後の岩井の「頑張って下さい」の、あのぞっとするような冷たさ。
もう彼が我が家に対して本気になることはないんだろうな(見限ったんだな)と思わせると同時に、彼を失望させるほどに空気が読めず・自己保身に必死な彼らは、芸人として必須の反射神経を失っており、だからこそ「もう浮き上がってくることはないんだろうなあ」と絶望的な気持ちになります。