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よくわからない! 映画「ミッドサマー」 感想

こんにちは!

 

今回は映画「ミッドサマー」の感想です。

 

ヘレディタリー 継承 [DVD]

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  • 発売日: 2019/04/19
  • メディア: DVD
 

 

監督・脚本 アリ・アスター

 

あらすじはこんな感じ↓

長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作。不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。ダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じるほか、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「パターソン」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールターらが顔をそろえる

 

https://eiga.com/movie/91493/ 2020/4/9閲覧

 

 

・よくわからなさ

 

よくわからない映画でしたね。

たぶん監督は何かを理解をしてもらおうというよりは、自分達とはまったく異なる常識で生きる人々の様子を丁寧に描くことで、まるで夢を悪夢をみているような、バットトリップをしているような、そんな世界を観客に体験させたかったんじゃないでしょうか。

 

だからこの映画のよくわからなさは「良いよくわからなさ」というか。

決して退屈はしなかったですしね。

たぶんいろんな人の解説や感想を読み、二回三回と見ていけばいろんな発見がある。

そんなよくわからなさでした。

 

 

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  • 発売日: 2019/02/04
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・村の風習

 

今回主人公たちがたどり着く村は、一般常識から見れば異常な風習の村です。

 すべてを共有しようとするというか。

喜怒哀楽快楽すべてを共に分かち合おうとする。

そして生命そのものも共有する。

すべては仏教的な輪廻転生というか。 

だからこそ、生命を生み出す行為であるセックスは許可制であり、女たちが立ち会う(ここのシーンはかなりヤバい)。

また、生命を終わらせること=人を殺すことにも一切の抵抗がない。

決められた人生を生き、役目を終えたら死ぬ。

その風習を永遠不変の心理として全く疑っていないし、 自分達のしていることの是非もまったく疑っていないんです。

だから彼らの曇りなき眼っぷりがすごい(笑)

 

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 すべては共有と調和とルールによって成り立つ(僕らから見れば)異常な世界。

ですが、ある意味で(このブログ含め)デジタル上ですべての出来事や感情を記録し、共有しようとする今の時代とある意味適合的なのかもしれませんね。

 

 

・狂気の世界観

世界観の作り込みがとにかくすごい。

何かモデルがあるのかもしれませんが、本当に世界のどこかにこういう風習を受け継いでいる土地がありそうですよね。

どのシーンも幻想的であり、象徴的であり、何より美しい。

日が沈まない世界の、明るさゆえの狂気。

 

 

狂気(紙ジャケット仕様)(完全生産限定盤)

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・定石外し

普通、こういう「昔の風習が残る殺人村に若者たちが乗り込む!」という映画ならば、基本主人公たちは金とセックスと暇潰しのことしか考えていない、頭の悪い連中。

そいつらがヤバイやつらに追いかけ回され、一人また一人と殺されていくなかで恐怖をあおり、ラストで一人か二人命からがら村から逃げ足すのに成功する!みたな話になると思います。

 

そのなかで主人公たちがまとも、おかしな習慣を続ける村の連中は異常、という描かれかたになるのがセオリー。

対してこの映画は、論文執筆のために村にやってきたという設定からもわかる通り、比較的高学歴な人たちが主人公です。

そのためか、投身自殺をみんなで見守り、失敗した人の頭をハンマーでかちわるという行動に対しても、「それはそういう文化だから」と受け入れる姿勢を見せます。

まあその高学歴ゆえの余裕というか許容性がとんでもない惨劇につながっていくわけですが、この映画は「異常」「正常」を劇中では明示せず、観客の判断にゆだねてくるところがあると思います。

 

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ある意味、どう見ればいいのかのガイドがない映画というんですかね。

物語を語るというよりは、記録フィルムというか、こういう僕たちから見れば異常にしか見えない風習の村がある!そこではこんな食事をし、こういう風に眠り、こんな儀式があるよ! どう感じるかは君たち次第だよ! という感じで、紹介を受けてる感じが自分はしましたね。

 

 

・時間の演出?

 村にいく前のアップテンポに描かれていましたが、村についてからは弛緩した感じで描かれていたように思います。

田舎とか実家ってなんかこうだらっと時間が流れるじゃないですか。

それがある意味気を狂わせる感じがあるというか、

だから時間の流れで、都会と田舎を対比させているのかな、と言う気がします。

 

   

 

・個人的なお話 

最後に個人的なお話を一つ。 

公開されてからだいぶ経ったせいか、朝イチの回だったせいか、客は自分一人でした(笑) 

自分史上二回目の、独りぼっち上映です(笑)