こんにちは!
あらすじ↓
母性に倦んだ母親のもとで育った少女・恵奈は、「カゾクヨナニー」という密やかな行為で、抑えきれない「家族欲」を解消していた。高校に入り、家を逃れて恋人と同棲を始めたが、お互いを家族欲の対象に貶め合う生活は恵奈にはおぞましい。人が帰る所は本当に家族なのだろうか? 「おかえり」の懐かしい声のするドアを求め、人間の想像力の向こう側まで疾走する自分探しの物語。
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例えば親戚やら来客やらが家にやってきて、家族全員で応対するとき、必要以上に「仲良い家族」を演じてしまう時ってありますよね。
うちは幸せな家族ですよー、みたいな。
例えば年賀状に家族全員笑顔の集合写真を載せたりとか。
そういう状態は、この本によれば「家族欲」をみんなで発散している状態なんですよね。
4人家族なら、家族欲を発散するセックスを4人でプレイしている、いわば4Pであると。
そう、この本の主人公は感じてしまいます。
良い家族でいたい、素敵な家族を気づきたい。
そもそも他人の集合体でしかない「家族」という集団をまとめ上げるのは「家族」という共同幻想(この本によれば精神的構造物)であり、そもそも家族の愛情なんてものは存在しない。
ドラマや映画、アニメが描く「理想の家族」を再現したいという「家族欲」をベースにした「家族プレイ」。
ラスト、今まで「家族欲」をオナニー(カゾクヨナニー)で発散していた主人公が、いざ「家族プレイセックス」に巻き込まれるとそれを拒絶してしまうのはなぜか?
「家族欲」を隠すこともなく露わにしてくる同棲中の彼氏を拒絶してしまうのはなぜか?
テレビのワイドショー的に解釈するなら「両親に愛されていなかったから」なのかもしれませんが、果たして本当にそうなのでしょうか?
むしろ他人の家族欲の発露が正視に堪えないと拒絶する方がまともなのではないか?
色々なことを考えてしまう作品でした。
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