こんにちは!
今回はドキュメンタリー映画「全身小説家」の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
嘘もつき終わりましたので・・・・、じゃあ
レンタルショップでも並ばず、天井知らずの高額プレミア化していた原一男監督(「ゆきゆきて神軍」)の幻の傑作ドキュメンタリー映画のDVDを再発!
『ゆきゆきて、神軍』から7年。原一男監督が井上光晴の虚構と真実に肉迫!
この作品は平成元年、文学伝習所を中心にエネルギッシュな活動を続ける戦後文学の旗手、井上光晴(「地の群れ」等)の生き様を10年がかりで撮り溜めていく構想で行われた。しかし、撮影準備に入った直後、井上光晴にS字結腸癌が発覚する。撮影は手術の成功後、完全に文学活動に復帰した12月からスタートした。
作家・井上光晴に向けられたカメラは一人の作家の軌跡をとらえるとともに、「うそつきミッチャン」と呼ばれるほどに自らを虚構の渦に巻き込んできた井上の虚実皮膜の人生を浮かび上がらせる。証言者たちが笑いこけているほどの「うそつきミッチャン」の嘘はもはや芸術の域に達している。
瀬戸内寂聴、埴谷雄高ら文壇の友によって明らかにされる真実、自作年譜の嘘、母親と初恋の少女の隠された真実、女性たちによって語られる虚々実々の素顔。映画は虚構と真実の迷宮へと観る者を誘い込む。
キネ旬ベストテン1位/東京国際映画祭・ロカルノ映画祭正式招待作品。
【ストーリー】
戦後社会を根源的に問い、差別を告発し続けてきた作家・井上光晴は平成4年5月30日、ガン性腹膜炎のため死去した。彼の死をもって戦後文学の終焉と見なす評論家は多い。
本映画は、『ゆきゆきて、神軍』で圧倒的な衝撃を与えた原一男監督が、5年もの歳月をかけて一人の作家の「生」を撮りつづけた渾身の一作である。
https://www.amazon.co.jp/dp/B015DJB7MW?tag=hatena-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 2020/7/16閲覧
嘘もつき続ければ立派なもんだ、という作品でしょうかね(笑)
前半で作家・井上光晴がもっともらしく語っていたことが後半、一気に嘘だったと分かっていく。
特に幼少期の頃には嘘が多い(笑)
「朝鮮人専門の売春宿で童貞を失った、という話がありますが・・・」
(当時を知る友人)「いや・・・そんなことはありえない・・・」
みたいなね(笑)
その中でも一番面白かったのは「中学受験」の話。
井上によれば「父親のせいで受験できなかった。僕は一生その件では父を恨む」という話だったんです。
しかしこれまた当時を知る人の証言では「受験会場で彼を見た」「帰りの船で絶望しきっており、自殺するんじゃないかと思った」「要するに落ちたんですな」と(笑)
つまり、自分が中学受験に失敗したのを父親のせいにしているだけだったというね(笑)
いい年こいて学歴コンプレックス引きずってんじゃないよ!!という話じゃないですか(笑)
そんな面白い嘘つきおじいちゃんのドキュメンタリーでした。
ま、最後は結局死んじゃうんですけどね。
でもここでかつての恋人・瀬戸内寂聴の読んだ弔辞がなかなか泣けました。
とても仏門に入った人のいうことではなかった気がしますけどね(笑)
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