特撮は大人の嗜みです。

特撮やアニメなどの子供向け作品は大人が見てこそ面白い!  総アクセス80万突破しました!

ダブルヒーローのご帰還だ!(笑) パンフレットから読み解く、大失敗作・超MOVIE大戦ジェネシスの戦犯は誰なのか?

こんにちは!

 

以前こんな記事を書きました↓

 

rimokongetao.hatenablog.com

 

この記事でも書いたんですが、超MOVIE大戦ジェネシスのパンフレットを読みまして。

で、この大失敗作である、超MOVIE大戦ジェネシスのパンフレットを読み解くことで、なぜあんなにダメな映画になってしまったのか、探っていきたいと思います。

 

 

 

1.インタビューから伝わってくる、キャスト陣の戸惑い

ライダー映画のパンフレットは、割とキャストの感情が生のまま伝わってくることで有名ですね。

良くも悪くも(笑)

パンフレットって、その映画について、ネガティブなことは一切書かないのが普通ですよね。

もちろんライダー映画のパンフレットも、はっきりと悪いことは書いてないんですけど、言葉のニュアンスなどで伝わってくるものがあるんですよね(笑)

 

今回で言えば、ドライブ側のキャストが・・・って感じです(笑)

例えば。

 

稲葉友/詩島剛役 「お客さんに状況を理解していただくための台詞(中略)きっと剛の思いとしてはもっと複雑なんだけど(中略)必要なものとして飲み込みました」

 

竹内涼真/泊進ノ介役 「深く考えず(中略)楽しんでいただければ」

 

内田理央/詩島霧子役 「純粋なドライブの世界観とはちょっと違う部分もあって、 不安も感じたんですけど(中略) だから、 細かいことよりも、とにかく頑張って良い作品に」

 

蕨野友也/ハート役 「疑問は残りつつも、そこはもう深く考えずに

 

上遠野太恍/チェイス役 「どういうことだろう?とは思いましたが(中略)考えるのをやめました。」

 

どうでしょうか?

ドライブのメインキャストたちが、今回の映画の脚本に対して「これは・・・」と思っているのが、読み取れませんか?(笑)

 

共通しているのは、「考えるのやめ、プロの役者として演技に徹する」というスタンスですね。

 

おそらくそうしないと、やれなかったんでしょうね。

 

2.脚本家の涙ぐましい努力

このパンフレットを読むまで、戦犯は脚本家なのではないか?と思っていました。

なぜなら本作の脚本を担当した林誠人さんという方なんですが、この方はドライブ・ゴースト両方に関わったこともなければ、そもそも特撮にすら一切関わったことがないんです

そのことは事前に知っていたので、「業界の事情でねじ込まれた脚本家が、子供向け作品だからと手を抜いて書いたんだろう」と思っていました。

 

ですが、このパンフレットを読むと、彼が慣れない作品の脚本家に抜擢され、いかに苦労して書き上げたのかがわかります。

 

彼は一か月かけてドライブのことを研究してから脚本に取り掛かり、しかもその時点ではドライブの終盤の展開が決まっておらず、ゴーストに至っては、情報がタイトルくらいしかない、という状況。

 

そんな状況の下で、次々と出される新しい設定・情報と格闘しながら脚本を書くことがいかに大変か。

 

スペクター/マコトに至っては、脚本を書き上げた段階で、キャラが一切定まっていなかった、とのこと。

だからこそ、ライダー史に燦然と輝く謎言「ダブルヒーローのご帰還だ!」も誕生したわけですね(笑)

 

結論としては、「脚本家は悪くない。むしろ自分にできうるベストを出し切った」という感じでしょうか。

 

3.監督金田治はいつも通り(笑)

本作の監督は金田治さん。

ライダーファンの間では、評価の別れる監督ですね。

彼の演出は、昔ながらのダイナミックさ、がウリですが、それは別の言い方をすれば大雑把な演出、ということ。

 

彼の「細かいことは気にするな」的な演出は、残念ながら本作のトンチキぶりを悪化させてた気がします。

 

ただ、映画の撮影の段階でも、ゴーストのテレビの撮影は始まったばかりで、キャラをつかめきれていない状態だったことは読み取れます。

 

彼が戦犯とは言い切れないでしょう。

 

4.まとめ

では、「結局誰が悪かったの?」という話になると思うんですが、結論から言うと「本作の事故っぷりは特定の誰かのせいではない」と思います。

 

じゃあなにが悪かったのかと言うと、「そもそもこの企画を立てたこと自体が間違い」だったのではないか、と。

 

「じゃあ企画を立てた人が悪いのか?」と言うと、そうとも言い切れない

 

MOVIE大戦シリーズというものは、この時期にはすでに恒例のものとなっており、やらないという選択肢はない

 

そしてシリーズがマンネリ化してきた時期でもあり、「ちょっと今までとは違うものにしたい」と企画サイドが考えるのも必定。

 

だから、今ままでのようにパートを分けるのではなく、一つの流れにしたい、という企画が出てくるのもしょうがない。

 

もうね、この大失敗作映画が生まれたのって、「必然」としか考えられないんですよね。

 

そういう企画が通ってしまうと、しわ寄せはスタッフの方にいってしまいます。

 

脚本も監督も、どちらのインタビューからも分かるのは、そもそものスケジュールがおかしい、ということ。

 

スケジュールがおかしいから、変な脚本が出来上がり、的外れな演出をするしかなくなる。

キャストの演技もぎこちないものになる。

 

最終的な結論としては、「生まれるべくして生まれた失敗作だった」というところでしょうか。

 

ただ、傑作シリーズ、「平成ジェネレーションズ」シリーズが生まれるきっかけになった、という点は救いでしょうね。