こんにちは!
今回は映画「記憶にございません!」の感想です。
監督・脚本 三谷幸喜
あらすじはこんな感じ↓
ある時、男は東京都内の病院のベッドという場所で目覚めたのだが、あろうことか事の一切の記憶を失っていた。
こっそり病院を抜け出し、テレビを観た瞬間、そこに自分が映っていることに気づく。演説の最中、傍聴していた一般人から投石を受けてしまい、病院に直行する自分がこの国の内閣総理大臣・黒田啓介であることに衝撃を受ける。しかも、国会における討論での暴言等が原因で相当な「嫌われ者の総理大臣」であるという更なる衝撃が待っていた。
記憶喪失になってしまった男は秘書官を名乗る者たちに「お迎えにあがりました、総理。」と言われ総理大臣官邸に連れ戻され、自分が記憶喪失の状態にあることはトップシークレット、すなわち最高機密であると告げられる。
国会議員になってから現在に至るまでの一切の記憶を失ってしまったが故に、男は進めていたであろう政策や国会議事堂の場所、果ては自分の家族である妻や子供の名前すら思い出せなくなっていた。しかも最愛の妻は他の男といい関係(不倫)にあるらしく、一人息子もあらぬ方向に進んでしまっているような雰囲気を漂わせている。そんな混乱の最中になんとアメリカ合衆国大統領が来日し、日米首脳会談に臨むことになる。周囲の人間全員を巻き込んで、男の一発逆転のドラマが始まる。
うーん・・・凡作。
いや面白くなくはないですよ、もちろん。
最初から最後まで、特に退屈せず見れました。
ただ、何か心に響いてくるものがなかった。
この映画の中盤くらいで気づいたんですが、この映画には「状況」があるだけで、「感情」がない。
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前半でかかわった人たちが、後半になって活きてくるというギミック自体は良い。
でもそれだけ。
それに中井貴一が変わったというのはわかるけど、それによって国が良くなったのか?
そういう社会の状況が描かれないから、彼らがやっていることが意味のあることなのかわからない。
要するにこの映画は薄っぺらい。
2時間ずっと表層をなぞっているだけで、何か核心に迫るというか、心を震わせるものがない。
そして映画としてのテーマも感じられない。
この映画は単発のコントを何本か繋いだような感じなので、映画全体を貫くものが感じられない。
いわば映画としての芯がないから、心を震わせることはできない。
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その骨格のなさを隠すためか、やたらエピソードを盛り込むのでそれぞれが中途半端もしくは唐突になる。
例えば記憶を失う前の中井貴一をもっと見せないと、彼がどう変わったのかもよくわからないと思うんだけどなあ、後だけ見せられても。
最初にも書きましたが、決してつまらなかったわけではないです。
通訳関連のシーンとか笑いましたしね(笑)
でも どういうわけか、見終わった後に浮かぶのは不満ばかり。
三谷作品ということでハードルを上げすぎたのカモしれませんが、どこか空虚なものを感じてしまいました。
でも、ディーン藤岡が美しかったのは良かったですね(笑)
スーツ似合いすぎ!