こんにちは!
今回は太田肇著「同調圧力の正体」 の感想です。
説明↓
和の精神が呪縛に変わるとき、それは同調圧力となる。なぜ、日本の美徳は、見えない暴力へと変わるのか? 私たちはその理由を明らかにしないまま、異端を許さない不寛容さに、漠然とした「生きづらさ」を感じてきた。「空気」という曖昧な表現で蓋をしてきたからだ。コロナ禍を契機に同調圧力が注目される今こそ、その正体に迫るチャンスではないだろうか? 本書では、同調圧力が発生する背景、メカニズムを読み解きながら、同調圧力の「功」と「罪」の歴史を振り返る。また、こうした歴史が令和の世にどんな現象を引き起こしているのか、SNSの出現で新たに登場した「大衆型同調圧力」という概念を使いながら分析する。学校のイジメ、職場のパワハラ、企業の不祥事、SNSの誹謗中傷、暴走する正義――。すべては一本の線でつながっている! こうした諸問題を引き起こす同調圧力を防ぐ仕組みや対処法とは一体何か? 息苦しい日々に光明が差す、「希望の1冊」だ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0976N3N5C?tag=hatena-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 2021/10/28閲覧
日本社会に蔓延る同調圧力について研究した本はいくつもありますが、昭和・平成を踏まえて、令和の同調圧力、特にコロナ下の同調圧力について言及しているのが良いですね。
こういう速報性が新書のよさですよね。
この本の中で特に良かったのが、昭和は権威や政府、家庭、地域などの縦型の同調圧力「家父長型同調圧力」から、SNSやワイドショーなどで横行する横型の同調圧力「大衆型同調圧力」へと移行している、という指摘。
確かに今、会社や政府からの価値観の押しつけは「ハラスメント」などと言われ、少なくとも世間に表出する範囲では同調圧力は弱まってきていますよね。
ただその代わり、一度不祥事を犯した芸能人は徹底的にこき下ろされ、炎上し、魔女裁判にかけられる。
つまり、昭和的同調圧力から令和的同調圧力への移行が行われている、と。
そしてコロナウイルスで時間を持て余してした人々が、それを加速させた。
こういった「大衆型同調圧力」が、ここ最近の「堅苦しさ」「生き苦しさ」の原因の日一つである、とわかっただけでもこの本は読む価値がありますね。
立場が上のものが下のものを押さえつける縦型同調圧力から市民がお互いを監視し密告し合う横型同調圧力へ。
これだけでも覚えてかえってください!
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