こんにちは!
今回は、漫画「火の鳥」のお話です。
この「火の鳥」というシリーズは、手塚先生のライフワーク的作品で、はるか昔からはるか未来までのさまざまな時代に生きる人々を、永遠の命をもつ火の鳥を通して描く、という壮大なものです。
残念ながら手塚先生は、この火の鳥を完結させる前に死去してしまいましたが、今回はその完結編となる、現代編のお話です。
まずは、こちらで紹介した本の中から引用しますね。
火の鳥は 最期 「現代編 」というタイトルで終わる予定だったんですよ。
そもそも火の鳥は大過去・大未来から始まっているんですけど、徐々に徐々にその幅が近づいていて、それがバーンと交わる時点、 それが現代の「今」だ 、というタイミングで、現代編を書いて終わる予定だった。
手塚先生は作品の中で、アトムが誕生するのを03年と設定していて、その頃には 自分は七十歳過ぎぐらいだからちょうど 筆を折るぐらいの年齢だろうと想定されていたみたいなんですよね。
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その03年にライフワークである火の鳥 現代編を書く、それが自分にとって最後の仕事になるであろうと思いながら60歳前の生活をされていた。
それで側近の人たちに明かしていたという話によると、 どうやら 03年にアトムが生まれる。
その「アトム誕生編」がつまり「 火の鳥 現代編」 なんだと。
天馬博士が自分の息子であるトビオくんを交通事故で失って 、永遠の命を持つアトムを誕生させる 。
そこに火の鳥のドラマも重なって終わるという。
読みたすぎるでしょう!これは(笑)
手塚先生、なんて壮大なことを考えていたんですか!
手塚先生の代表作であるアトムと、最終作である火の鳥がリンクする。
それにより、手塚治虫先生の作品に一本芯が通り、壮大なサーガとなる。
なんという素晴らしい発想でしょうか。
と、実はこれは浦沢直樹さんが聞いた現代編の構想なんですが、この現代編にはいくつか別の構想もあったようです。
例えばウィキペディアに乗っている部分を引用しますね。
アトムも、ブラック・ジャックも、三つ目も、先生のキャラクターが何もかも出てきて…
そう手塚治虫先生の代表的なキャラが総登場して終わる、という構想もあったようです。
しかし、ウィキペディアでは、「再生編」とされており、現代編は別にあるよう。
それがこちら。
手塚は「現代」というものは常に浮遊しており、読者から見た「現代」と作者が描いている時点の「現代」のズレが生じる問題を角川に伝えている。
火の鳥という作品は1950年代から描かれているが、この対談時ですら1950年代は「現代」ではなくはるか「過去」になっている。
そこで手塚は「現代」というものの解釈を「自分の体から魂が離れる時」だとしていた(手塚にとってそれ以降の未来がなく、そこから以前は全て過去であるため。「未来も無く過去しかない=現代」)。そして、その時こそ「現代編」を描く時だと語った。
(中略)
手塚先生は『火の鳥で、過去の話を書いたら、未来の話を書いて、次の過去の話と、だんだん時代の間隔が短くなって、最後は原稿を書いている自分の部屋で終わりたい』とおっしゃっていた。
こういう説もあるようなんですね。
つまり、非常にパーソナルな、漫画家手塚治虫という存在と絶対の存在である火の鳥を対比し、自分の死というものをもって「火の鳥」が終わる。
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と、ここまではこういう情報がある、という話だったんですが、これからは自分が真の現代編を考えてみたと思います。
というか思いつきました!(笑)
再生編と現代編、実はこれは一つの話なんですよ。
現代編とはこうなんです!
・まず再生編が始まり、大円団で終わる
・再生編 完の文字
・カメラが引いていき、その文字を書いている手塚治虫先生自身にスポットが当たる
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手塚治虫「ついに完結しましたね。これで私は死ぬんですね」
火の鳥、うなずく。
手塚治虫「もっと漫画を描きたかったですねえ。永遠の命が欲しかった」
火の鳥「あなたが死んでも、あなたの書いた漫画は永遠に残りますよ」
手塚治虫「ふ、ですかねえ・・・」
そう言いながら息を引き取る手塚治虫。
最後に、手塚治虫の書いた漫画すべてを映した写真が写る。
右端に「手塚治虫・完」の文字。
どうでしょうか?(笑)
多分再生編が現代編に取り込まれる、というか現代編の一部である、というのは間違いないと思うんですけどね。
ただ漫画の神様・手塚治虫のことですから、おそらく自分なんかが思いつかないようなもっとものすごいラストを想定していたような気がしますね。
皆さんはどう思われますか?
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