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あと三週間で目が見えなくなるとしたら、あなたは何をしますか? 松本洋著「エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの-」 感想

こんにちは!

 

今回は松本洋著「エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの-」の感想です。

 

 

 ゲーム業界の片隅で起きた小さな奇跡の物語――!

NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズや『.hack』シリーズの開発で知られる株式会社サイバーコネクトツー代表取締役社長の松山洋氏によるノンフィクション。
本書は、2006年12月、プレイステーション2用ソフト『.hack//G.U. Vol.3 歩くような速さで』発売直前に松山氏に入った1本の電話をきっかけに、ひとりの少年に出会うところから始まります。
その電話は、目の病気のため眼球摘出手術を受ける少年が、『.hack//G.U. Vol.2 君想フ声』の続きを遊びたい、と望んでいることを告げるものでした。ソフト発売は、手術の9日後。このままでは間に合わない――! そこで、視力を失う少年のもとへ直接ROMを届けに行くという、異例の対応を行った松山氏。10年前当時のことを振り返るとともに、この対応の裏で多くの関係者が動いてくれたことや少年の半生などをこまかに取材し、執筆しました。
ゲーム、エンターテインメントにできることって何だろう? 松山氏とその少年との出会いが、当時の開発スタッフに勇気と希望を与えるものであったこと、そして、エンターテインメントに関わるすべての人々へ伝えたい想いを込めた1冊です。

本書の売上の一部を“がんの子どもを守る会”に寄付いたします。

 

https://blog.hatena.ne.jp/rimokongetao/rimokongetao.hatenablog.com/edit 2020/6/8えつらん 

 

 

rimokongetao.hatenablog.com

 

あと三週間で目が見えなくなるとしたら、あなたは何をしますか?

 

この本で繰り返して提示される問いです。

 

自分だったら・・・そう考えるとやはり恐ろしいです。

この本はそんな残酷な問いを投げかけられた少年が、「ゲームをしたい」と答えことから始まる物語です。

 

   

 

感動しましたね、これには。

目の病気のため眼球摘出手術をし、三週間後には目が見えなくなる、そんな状態でゲームをすることを選んだ少年。

彼のために暗に明に奮闘する大人たち。

 

それから10年が経って明らかになる、様々な真実。

 

rimokongetao.hatenablog.com

 

特に感動したのが、当時ゲーム会社のけっこう上の方にいた(今はパン屋)サワダさんという人のくだり。

発売前のゲームを特殊な事情があるとはいえ、一般人の少年に与えていいものなのか、社内的な事情で紛糾する中、「すべては自分の独断ということにするから、ごちゃごちゃ言わずにさっさとやれ!」と決定した人間としての圧倒的な正しさ。

しかもそれを言いふらすわけでもない、そのハードボイルドさ。

 

もし当時の上層部が自分の立身出世にしか興味がない人間だったら・・・。

もし彼がゲームがしたい、とがんセンターの友人に漏らさなかったら・・・。

 

rimokongetao.hatenablog.com

 

この本で行われた奇跡は実は、そういう小さな偶然から成り立っている。

そのことに思い至り、本書を読み終わってからまた感動。

 

字も大きく、書きぶりもブログのようで非常に読みやすいので是非読んでみて下さい!!

 

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