こんにちは!
今回は谷本真由美著 脱! 暴走老人 英国に学ぶ「成熟社会」のシニアライフ の感想です。
あらすじはこんな感じ↓
【暴走老人・ぼうそうろうじん】
店員や駅の係員に無理難題を言って困らせたり、並んでいる列に割り込んできたり、
若い人を怒鳴りつけたりする高齢者のこと。
“英国流"幸せに年をとる方法=楽しみながら、時にシビアに
日本と欧州を行き来して暮らす著者は、ヨーロッパの国々には“暴走老人"がいないことに気づき、
不思議に思います。
日本は恵まれた国にもかかわらず、高齢者が暴走してしまうのはなぜなのか?
本書では「暴走」する日本の超高齢化社会を通して、日欧の高齢者たちを取り巻く環境の違いや、
その背景にあるものを探ります。
さらに、欧米の高齢者たちの暮らしぶりから、幸せに年をとるための前向きで具体的な提案をします。
=*=*=「おわりに」より=*=*=
もし街なかで暴走する老人を見かけたら、何が彼にそうさせてしまっているのかということも考えていただきたい
のです。 これは実は若い人にとっても大変重要なことです。なぜなら、やがて現在の若者たちも高齢になり、厳し
い状況に置かれる可能性が高いからです。つまり、現在暴走している高齢者のことを考えることは自分たちのため
でもあるのです。
◆第1章 なぜ日本の老人は暴走してしまうのか?
◆第2章 社会の狭間で苦悩する日本の老人
◆第3章 暴走老人のいないヨーロッパ
◆第4章 人生を楽しむ欧州の老人
◆第5章 欧州ではどのように老後資金を準備しているか
◆第6章 欧州の老人に学ぶ節約術
◆第7章 「暴走老人」にならないために
https://www.amazon.co.jp/dp/4255010838?tag=hatena-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 2020/9/8閲覧
結論から言います。
この本を読んでも「脱!暴走老人」をすることができるひとはほぼ皆無と言っていいでしょう。
なぜならこの本の結論は「日本にいる限り暴走老人になってしまうから、ヨーロッパ、特にイギリスに住もう!」だからです。
この本の章立てをもう一度よく見て下さい。
◆第1章 なぜ日本の老人は暴走してしまうのか?
◆第2章 社会の狭間で苦悩する日本の老人
◆第3章 暴走老人のいないヨーロッパ
◆第4章 人生を楽しむ欧州の老人
◆第5章 欧州ではどのように老後資金を準備しているか
◆第6章 欧州の老人に学ぶ節約術
◆第7章 「暴走老人」にならないために
日本のことが書いてあるのは、全7章中たったの3章。
じゃあ残りは何が書いてあるのかと言うと、「ヨーロッパ(特にイギリス)の老人はこんなに人生を謳歌してる!それに比べて日本は・・・・」というイギリスびいきの筆者の自慢話。
いやまあ確かに日本社会が老人にとって住みにくい国なのは確かだと思います。
ヨーロッパの優れた取り組みを参考にすることも必要でしょう。
でもそれは政府や行政レベルの話であって個人でどうにかできるものではないし、そもそもそれが採用されて日本が変わるのを待っている間にこの本がターゲットとしている世代は死滅するわけですよ。
そうじゃなくてこの本を読む人が知りたいのは、もっと具体的で実践可能な手段なわけでしょう。
「脱!暴走老人」なんてタイトルを掲げておいてこの内容ではちょっとどうかと思いますよ。
せめてタイトルが「なぜイギリスに暴走老人はいないか?」とかだったらまだ納得できたんですけどね。
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