こんにちは!
今回は稲葉振一郎著「オタクの遺伝子」 の感想です。
オタクの楽園は、本当に不毛の荒野なのか?
『ナウシカ解読』で明晰な宮崎駿論を展開した著者が、日本で2番目にオタクの心がわかっているまんが家(by岡田斗司夫)長谷川裕一を中心に、鉄腕アトム、鉄人28号からガンダム、エヴァンゲリオンにいたるオタクの遺伝子=SFの変容と可能性を描く、壮大な長谷川裕一&SF論。
「オタク的快楽が、ある種常識的な人々に怖気をふるわせる理由は、その人工物や虚構への耽溺でしょう。(中略)しかし本当に人工物、そして虚構とは、何も生み出さない不毛なものなのでしょうか? そして人工物と虚構で埋め尽くされたオタクの楽園には、本当に「外」が存在しないのでしょうか? 本書のテーマは、実はそういうことです。オタクの楽園は本当に不毛の荒野、管理された箱庭、ポルノグラフィックなディズニーランドでしかないのか――ということです。その問題について考えるために、オタクの原点であるSFについて、いま一度考えてみよう、という作業の、とりあえずの最初の一歩です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4872338693?tag=hatena-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 2021/7/7閲覧
「クロスボーンガンダム」や「マップル」などの作品を描いてきた漫画家・長谷川裕一。
そんな彼と漫画評論家である著者が、長谷川裕一作品を始め、現在過去未来のポップカルチャーについて語り尽くしたのがこの本。
メインで語られるのはSFですが、それ以外のジャンルにも言及しており、読みごたえは十分。
特に長谷川裕一氏はオタク第一世代の人なので話が濃い!(笑)
ある意味で現在も続くカルチャーの源流となった作品達ですからね。
さて、そんなお話の中で、プロの漫画家ならではだなあ、と思った言葉があったのでご紹介します。
それがこちら!
漫画を描くとは麻雀である!
これ、意味お判りでしょうか?
麻雀とは、その場その場の運・偶然で手元にやってきた牌を見極め、その中で最善手を見つけ、役を完成させる遊びです。
それと漫画を描くことは同じだ、と。
つまり、作品の人気、掲載している雑誌の状況、流行り等々、様々な条件を飲み込んだうえで、それでも最善の方法で漫画を描き切るのが、漫画家の仕事だ、というわけですよ。
なんとカッコイイ言葉でしょうか!!(笑)
これぞ、プロの漫画家の言葉だ!と痺れてしまいました(笑)
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