こんにちは!
今回は「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」の感想です。
あらすじ↓
2017年秋より開幕した劇場版『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』シリーズは、 エウレカの魂の軌跡を、レントンとアネモネという彼女の人生を変えた人物の視点から描いてきた。 第1作『ハイエボリューション1』(17)で描かれたのは、少年レントンの視点から見た2人の出会い。 第2作『ANEMONE』(18)では、消失してしまったレントンと再会するため、何度も世界の創造と破壊を繰り返すエウレカを、 少女アネモネが悲しみの淵から引きずり出す物語だった。 そして、シリーズ完結作となる本作ではタイトルの通りエウレカの最後の旅路が描かれる。 世界中から憎まれ、孤独に生きてきた贖罪の10年を過ごしたエウレカ。 そんな彼女が出会ったのは、スカブコーラルを生み出す能力を持つアイリスという少女だった。 力を失った元少女エウレカと、自分の力を恐れる少女アイリスの運命の出会い。 エウレカは自身の能力を恐れる彼女に過去の自分を重ね、アイリスを守る決意をする。 本作ではアイリスと共に歩む、エウレカの最後の旅路が描かれる。 エウレカの旅路の果てに待つのは、「少女の終わり」と「少女の始まり」。 そこには「HI-EVOLUTION」が切り開いた未来が広がっている。
https://www.youtube.com/watch?v=r5hGVXKOMbs 2021/12/7閲覧
ハイエボリューション三部作がついに完結しました。
その完結編である「EUREKA」、その感想を書いていきたいと思います。
が、タイトルでもわかる通り、酷評しております。
それでも大丈夫!という方だけお読みください。
この映画にはいくつも問題があると思います。
それらを要件ごとに箇条書きしていきましょう。
・シンプルに話が全く面白くない問題
新しいエウレカ、新重要キャラ・アイリス。
まずこの女の子がねえ、イライラさせられるんですわ。
まあこの年頃の女の子なんてこんなもんなんでしょうけど、それにしてもうざい(笑)
今回のメインはその新たなるエウレカ(今作においてエウレカとはイコール少女イコールヒロインと言う意味であると解釈できますね)とかつてのエウレカの逃避行が前半のメインとなるわけですが・・・。
まずここが自分的には退屈極まりなかった。
ずっと同じこと繰り返しているだけじゃん(エウレカ・アイリス逃げる→アイリスやらかす→デューイ襲ってくる→エウレカデューイ倒す→最初に戻る)!
ここの積み重ねが、後述するテーマに関わってきているのは分かるんですが、それにしても、うーん・・・。
そして後半、新旧合わせたキャラクターが力を合わせて乗り越える!という感動の場面。
ここもねえ・・・。
なんでしょう、感動的な場面なのはわかるんですが、正直ここにいるキャラクター達に感情移入できなさすぎて、「まあ、頑張って下せえや」的な、正直「どうでもいい」としか思えなかったなあ・・・。
全体を通して、感情移入のさせ方が下手過ぎる。
なので、話がすごく退屈に感じてしまいました。
・求めているのはその話じゃないです・・・問題
自分が求めていたのは、「ANEMONE」で描かれたように、TVや映画、漫画、ゲーム等々の世界観が繋がり、今までのエウレカキャラが大復活し、レントンとエウレカも熱い愛を交わし合い、というエウレカセブンの集大成としての劇エモ作品だったんですよ。
だけど、見せられたのはエウレカの余生みたいな話で。
だからなんていうんですかね、ずーっと「見たいのはこういうのじゃないんだよなあ・・・」と、思ってしまったなあ・・・。
というかね、自分はやっぱり「シン・エヴァ」の後半みたいなものを求めていたんですよね。
だから自分からしたら「シン・エヴァ」の第三村のシーンだけ延々見せられてるような感じで。
もちろんあそこはあそこで面白いんですが、やはり楽しむにはモードの切り替えみたいなものが必要なわけで・・・。
そういう意味でいうと、自分はずっとモードが切り替わらないまま最後まで行ってしまったのかもしれません。
・ヒーローもヒロインも不在問題
キャッチコピー「少女の終わり、少女の始まり」。
上記したように、少女とはエウレカのことであり、少女とはヒロインのこと。
つまりこの映画は、既にヒロインでなくなっている旧エウレカから新エウレカへ、ヒロインの役割を継承することにある。
ヒロインの座を譲り渡し、アイリスは子供から少女になる。
それはいい。
ヒロイン交代ものとして、面白いアプローチだと思います(それを観客が見たかったかどうかは一旦置くとして)。
問題は、新旧合わせ、エウレカがヒロインであったのはこの映画の以前、以後である、ということ。
つまりこの映画の劇中では(一部シーンやラストシーンを除き)ヒロインが機能していない。
そしてヒーロー、レントンも最後の最後まで出てこない。
この映画にはヒーローもヒロインもいない。
これが次に描く一番の不満につながります。
・これはエウレカセブンではない問題
エウレカセブンの醍醐味とは何か。
ボーイミーツガールでしょう。
少年の青臭い理想論でしょう。
見てるこっちが恥ずかしくなるような、ど直球の純愛でしょう。
そして何より、新しい世界に飛び込む少年のドキドキとワクワクでしょう。
この映画には、その醍醐味の全てが欠如している。
これは一体どうしたことか。
ハイエボ1にも、ANEMONEにもあった、そういうワンダー感が一切ない。
この映画にはドキドキしない。
この映画にはワクワクしない。
京田監督の最新作として見ればいいのかもしれません。
が、僕が求めていたのは「エウレカセブン」の最新作なんですよ。
・蛇足問題
タイトルにも書きました。
この映画は蛇足です。
ハイエボリューションシリーズは「ANEMONE」で終わっていれば完璧でした。
この映画、冒頭とラストシーン以外いらないと言っても過言ではないでしょう。
そもそも「ANEMONE」が気持ちよく終わりすぎたため、「これから先何か描くことあるのか?あとはレントンとエウレカが再会すれば終わりじゃん」という不安はちょっとありました。
そしてその不安は的中しました。
例えばこの映画と同じように「冒頭とラストシーン以外はおまけに過ぎない」という作品はありました。
この映画は素晴らしい出来でした。
どう頑張っても「蛇足」と言われざるを得ない状況をうまく活用して見せた。
今回の「EUREKA」と同じように、贖罪を描きながらも、そこにファンが見たかった場面、昔懐かしいキャラクターの活躍をこれでもか、と詰め込んでファンを感涙させた。
そういうスタンスは懐古主義と言われるかもしれません。
でもねえ、はっきり言って懐古主義で良いんですよ(笑)
だってシリーズのファンしか見に来ないでしょ?(笑)
だったらファンの見たいもの見せてよ!
なのに変に尖って新キャラ、新ヒロインの継承とか、求めてないよ、そんなの!
というか、新ヒロインを描く余裕があるってことは、逆に言えばもう特に語る話も残ってなかったってことで、やっぱり蛇足なんじゃないか・・・(笑)
・ホランドのキャラ変わりすぎ問題
藤原さんが亡くなってしまい(まあ元々ハイエボでは当初からホランドを演じてず、デューイを演じていたので厳密には関係ありませんが)、森川さんに声優を交代したホランド。
ハイエボ1でもほとんど出番はなく、「ANEMONE」でも当然のことながら出番がなかった彼ですが、今回はメインキャラらしい活躍。
でしたが、こんなやつじゃないよね?(笑)
こんなに兄貴想いじゃないし、もっと生意気だし、もっと命知らずだし、もっと無謀だし。
それが今作ではタルホの尻にしかれまくってまあ・・・。
結婚したから丸くなったのか!ホランド!
とも思ったんですが、もっと根本的な、キャラクターとしての軸がぶれてしまっているように自分には感じられました。
ホランドはこんなに軟弱じゃないよ!(笑)
・まとめ
今まで散々かいてきたように、自分はこの映画に大いに不満を感じました。
が、この映画がしっくりハマった人がいるのも知っています。
だって、前の方で見ていたおじさん、泣いてましたから。
なのでまさにこの映画は賛否両論なのでしょう。
そして自分は圧倒的な否。
次回の記事では、賛否両論の感想を踏まえたうえで、ラストシーンについて考えたいと思います。
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